(CNN) 米国とロシアのサイバーセキュリティー問題に関する高官協議が週内にもスイスのジュネーブで開かれることが18日までに分かった。両国の対立がサイバー戦争に発展する事態を食い止める狙い。米当局者が明らかにした。
米政府高官によると、米国からはホワイトハウスと国務省、米連邦捜査局(FBI)の担当者が出席予定。米ロが2013年に調印したサイバーセキュリティーに関する合意内容について見直しを行う。
今回の協議は、昨年12月にウクライナの一部電力供給網がサイバー攻撃を受けて停電が発生した事態を受けて開かれる。米捜査当局はこの事件について、サイバー攻撃によって民間のインフラに障害が起きた初の事例と断定。米国防当局者はこの攻撃にロシアが関与したとの見方を強めているが、オバマ政権としてロシアを名指しするには至っていない。
高度なサイバー攻撃は出所の特定が困難で、犯人を突き止めるのは極めて難しい。
2014年のロシアによるクリミア半島の編入を受けて、米ロ関係は冷え込んでいた。
ジュネーブでの協議について、ロシア側では関係正常化に向けた協議と位置付ける。
一方、米政府高官は「(14年のウクライナ問題で中断された)二国間大統領委員会作業部会を再開するわけではない。ロシアとサイバーセキュリティー問題について協議する」と述べ、信頼醸成に向けた措置であることを強調した。
13年のサイバー合意には、サイバーセキュリティー関連で危機的状況に陥った場合に米ロ間で対応を協議するためのホットライン設置などが盛り込まれていた。
他国からと思われるサイバー攻撃が発生すれば、二国間の重大な衝突に発展する恐れもある。米政府高官によれば、ホットラインは現在も生きているという。