北朝鮮の専門家、トランプ氏の日韓核武装論を批判 CNN EXCLUSIVE

インタビューに応じた李氏(左)は米国の対北朝鮮政策を「二重基準」と批判

2016.04.18 Mon posted at 11:49 JST

平壌(CNN) 北朝鮮の国際問題専門家、李正律(リージョンリュル)氏が18日までに平壌市内でCNNとのインタビューに応じ、米大統領選の共和党候補指名を目指す実業家、ドナルド・トランプ氏の発言を厳しく批判した。

李氏は長年にわたって大使など外交官を務め、現在は北朝鮮指導部の諮問機関となっているシンクタンク「国際問題研究所」の副所長。CNNとの異例のインタビューで、トランプ氏が「韓国と日本から米軍を撤退させて両国を核武装させるべきだ」と主張したことに言及し、「まったくばかげた不合理な発言」だと批判した。

李氏はまた、「米国は我々に核開発計画の放棄を迫りながら、我々への核攻撃を用意し、一方で同盟国に核武装を求めるという。これは二重基準ではないか」と述べた。

北朝鮮はトランプ氏の発言に対し、公式のコメントを出していない。北朝鮮の宣伝サイトは先週、米国のリンカーン元大統領からオバマ大統領への「忠告」と称してオバマ政権の核政策を非難するという風刺を試みていた。

米大統領選の詳しい状況は、北朝鮮の一般市民にほとんど報じられていない

普段から好戦的な発言で知られる北朝鮮にとっても、トランプ氏の思想は危険と映るようだ。李氏は「トランプ氏の言葉から、我が国に対する米国の敵対政策がより深くうかがえる」「要するに、米国の敵対行為は朝鮮半島情勢を悪化させているということだ」と語り、トランプ氏のようなやり方は北朝鮮が持つ核への野心を「強めるばかりだ」と警告した。

北朝鮮では一般市民がインターネットを閲覧することはできないが、李氏はアクセスを認められているごく少数の専門家の一人。米国の政治について、同氏ほどよく研究している当局者はほとんどいない。国営メディアが米大統領選の詳細を伝えることはなく、市民は候補者の顔さえ知らないのが普通だ。

李氏は「米国の次期大統領がだれになろうと、我々は興味がない」「共和党政権でも民主党政権でも関係なし。米国の政治家は常に北朝鮮への敵対政策を取ってきた」と強調した。

トランプ発言「ばかげており不合理」

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