台湾(CNN) 台湾で最も人気のある観光地の一つ、太魯閣渓谷。険しい崖がそそり立つ一方で深い谷が刻まれるなど、起伏に富んだ景観を楽しめる。
19キロにわたる一帯は太魯閣国家公園の一部となっており、高さ100メートルに及ぶ崖がそびえ立つ。
国立公園に指定されたのは1986年。中央山脈の北部から台湾東岸にかけての地域はこれ以降、自然保護区とされてきた。
台北と太魯閣渓谷を結ぶ中部横貫公路は、世界で最も危険な(だが景色の良い)道路の一つとされ、急カーブやトンネル、急斜面が続く。景勝地にたどり着くには危ない橋や曲がりくねった小道を通らなければならない。
太魯閣国家公園には台湾百名山のうち27山が集中しており、標高3742メートルと台湾で5番目に高い南湖大山もある。
こうした自然のほかにも圧巻なのが長春祠だ。中部横貫公路を建設する工事の途中で命を落とした労働者226人を弔うために建てられた。祠の裏には鐘楼や観音菩薩をまつった洞窟もある。
公園内では台湾固有のクマやサルなど、台湾に生息する動物種の80%あまりを見ることができる。
一帯には今でも、台湾原住民のタロコ族の居住地が点在している。タロコ族はかつて、顔の入れ墨や首狩りの儀式を行うことで知られていた。
公園内の道は整備が行き届いており、ハイキングやサイクリングを楽しむ人も多い。中でも歩きやすいのは砂卡礑(シャカダン)步道で、川沿い4.4キロにわたり伸びる道は心地よい。入り口には橋がかかっており、装飾として大理石で彫られた獅子100体が並んでいる。
ただ、サイクリングの道は体力的に厳しい。草木が生い茂る険しい山道を3日かけて走行する。公園の管理当局が無料でヘルメットを貸し出している。路面の状況は天候に左右されることも多いので、公園の公式サイトで最新の情報を確認しておくことが必要だ。