超小型探査機で4光年先の星へ、20年で到達 ホーキング氏ら

スティーブン・ホーキング博士(右)らがニューヨークで記者会見

2016.04.13 Wed posted at 13:28 JST

(CNN) 舞うチョウほどの大きさの小型探査機数百機が、超高速で宇宙を旅して地球から4.37光年離れた恒星系を目指す――。理論物理学者のスティーブン・ホーキング氏らが12日、米ニューヨークで記者会見してそんな壮大な計画を発表した。

このプロジェクトには米フェイスブック創業者のマーク・ザッカーバーグ氏も名を連ねる。1億ドル(約110億円)をかけて超小型の宇宙船「ナノクラフト」を開発し、地球から最も近い恒星系のケンタウルス座アルファ星に送り込む計画。

小型探査機は数百機を建造する予定で、それぞれの重さはわずか数グラム。カメラと光子推進装置、動力供給装置、ナビゲーション機器、通信機器を搭載する。打ち上げにはロケットを利用し、宇宙空間に到達すると小さな帆を展開する。

地球からレーザービームを照射すると、帆がビームを受けてナノクラフトが時速1億6000万キロ(光速の20%)の速度で飛行する仕組み。この速度は現在の宇宙船を大幅に上回る。

ケンタウルス座アルファ星では画像撮影やデータの収集を行って、地球にデータを送信する。

小型機は地球からのビームを受けて光速の約2割の速度まで加速する

現在最速の宇宙船を使った場合、ケンタウルス座アルファ星に到達するには3万年ほどかかる見通し。しかしナノクラフトはその1000倍の速度で飛行でき、約20年で到達できると試算する。

ホーキング氏らは実現に向けて「ブレークスルー・スターショット」という役員会を創設。プロジェクトは米航空宇宙局(NASA)元幹部のピート・ウォーデン氏が主導し、著名科学者や技術者が顧問を務める。

実現までには長い年月を要する見通しで、最大で100億ドルの資金が必要になるという試算もある。しかし計画は既に現存する技術や実現間近の技術に基づいているという。

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