台湾籍の45人、ケニアから中国に「強制連行」

2016.04.13 Wed posted at 11:56 JST

香港(CNN) アフリカのケニアに滞在していた台湾籍の45人が12日までに拘束されて中国本土に連行され、台湾当局が「基本的人権の著しい侵害」として中国を非難している。

台湾外交部はこの措置について、「司法を逸脱した拉致」と形容した。

中国外務省の陸慷報道官は定例会見でこの問題について質問され、「『一つの中国』政策は、中国と他国との二国間関係のための重要な前提条件だ。ケニアによるこの政策の履行を評価する」と語った。

台湾当局によると、中国政府との間にこの問題について協議するためのホットラインが設置されたという。

発端は、ケニア国内で中国籍と台湾籍の人物が関与したとされる電話とインターネットを使った詐欺事件の摘発だった。

台湾当局の発表によると、台湾籍の23人を含む被告37人が裁判で無罪を言い渡され、パスポートを受け取るため5日にナイロビ市内の警察署に行ったところ、理由もなく拘束された。

台湾領事館からの反対や裁判所の国外退去差し止めの命令にもかかわらず、中国の要請で23人のうち8人が8日に中国南方航空の旅客機に強制的に乗せられ、中国本土に移送されたという。

台湾外交部幹部によれば、残る15人を含む台湾籍の37人も12日に中国本土に送られた。ケニア当局が催涙弾などを使って強制的に退去させたとも非難している。最初に移送された8人は、北京市内で拘束されていることが分かったという。

台湾は中国政府に対し、今回の措置は「共通の理解」に違反するとして、市民を台湾に戻すよう求めている。

台湾では中国からの独立を支持してきた民進党を率いる蔡英文氏が総統選挙で圧勝し、中国との間で緊張が高まっていた。

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