(CNN) ベルギー当局は10日、同国で先月起きた連続テロについて、犯人らが当初、フランス国内で新たなテロを起こす計画だったことを明らかにした。
ベルギー検察の声明によると、捜査で得られた多数の手掛かりから、フランスでのテロが計画されていたことが分かったという。
捜査当局者らによると、ベルギー連続テロの背後にはパリ同時多発テロと同様、過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」の組織網があった。仏当局によるパリ同時テロの捜査が急速に進展していることを知り、新たなテロの標的を急きょベルギーの首都ブリュッセルに変更したとみられる。
ベルギーの事件は先月22日、パリ同時テロの実行犯の1人、サラ・アブデスラム容疑者がブリュッセルで逮捕されてからわずか4日後に発生した。
CNN系列の仏BFMテレビが捜査状況に詳しい情報筋の話として伝えたところによると、犯行グループは再びパリ市内の人目につく場所でのテロを計画していた。捜査当局が先月、ブリュッセル市内で押収したノートパソコンには、パリのビジネス街ラデファンスやカトリック団体を含む標的リストが保存されていたという。
パリ検察のフランソワ・モラン検事は昨年11月、パリ同時テロの首謀者アブデルアミド・アバウド容疑者が同事件の数日後、ラデファンスで自爆テロを起こす計画だったと指摘していた。アバウド容疑者はその実行に至る前に、警察の急襲作戦で死亡した。
ブリュッセル市内では8日、パリ同時テロとベルギー連続テロの両方に関与したとみられるモハメド・アブリニ容疑者が逮捕された。アブリニ容疑者は当局の調べに対し、ブリュッセル国際空港で自爆テロ実行犯2人とともに監視カメラに映っていた「帽子の男」は自分だと認めている。