インド・コーラム(CNN) インド南部ケララ州のヒンドゥー教寺院で10日未明に起きた火災で、当局によると同日夕までに少なくとも105人の死亡が確認された。負傷者は500人以上に上っている。
火災は同州コーラムのプッティンガル寺院で午前3時15分ごろ発生。この日はヒンドゥー教の新年を祝う祭りのため数百人が同寺を訪れていた。
友人と3人で現場にいたという男性は、「一体何が起きたのか分からなかった。巨大な火の玉が見えて、5分で何もかもが終わった。至る所に死者が倒れていた」と恐怖を語る。一緒にいた友人2人は死亡した。
地元警察は、積み上げてあった花火の山に、打ち上げ花火の火花が燃え移って爆発したと見て調べている。
この火災で寺院のオフィス棟と倉庫が破壊され、付近の民家にも被害が出た。本殿は大きな被害を免れた。
警察は、寺院が許可なく花火を打ち上げたとして、過失致死容疑で寺院の関係者や花火業者を取り調べている。現時点で逮捕者は出ていない。
インドのモディ首相は10日夕、負傷した被害者を見舞った。首相府によると、死亡した人の遺族には約3000ドル(米ドル換算、約32万円)、負傷者には5万ルピー(約8万円)を補償する。
10日夕までにプッティンガル寺院からは誰もいなくなり、負傷者が運ばれた病院には家族を探す人たちが詰めかけている。
現場付近に設置された仮設救護所にも行方不明者の写真が張り出された。同地には犠牲者の遺体が安置されているが、当局によると、遺体は損傷が激しく、身元確認が困難な状態だという。