スイス警察、UEFA本部を捜索 「パナマ文書」リーク受け

UEFAが主催する欧州チャンピオンズリーグ(CL)の優勝トロフィー

2016.04.07 Thu posted at 09:57 JST

(CNN) パナマの法律事務所から「パナマ文書」と呼ばれる大量の内部文書が流出し、各国要人の不透明な資金運用の実態が明らかになった問題に関連し、スイス警察は7日までに、欧州サッカー連盟(UEFA)の捜査に乗り出した。

スイス警察は同国ニヨンにあるUEFA本部を家宅捜索した。UEFAの元事務総長で、現在は国際サッカー連盟(FIFA)の新会長を務めるジャンニ・インファンティノ氏は6日、すべての捜査を歓迎すると発表。同氏は先に、あらゆる不正行為を否定していた。

UEFAは声明で、パナマ文書から明らかになったテレビ放映権の契約をめぐる問題について、警察の調べを受けたことを発表。UEFAの報道官はCNNに対し、スイス連邦警察から家宅捜索を受けたことを明かしたうえで、捜査に全面的に協力する意向を示した。

問題となっている契約は、欧州チャンピオンズリーグ(CL)の放映権を南米のテレビ局に売却したことに関連するもの。アルゼンチンのクロストレーディング社がまずUEFAから放映権を購入し、エクアドルのテレビ局テレアマゾナスにこれを売却した。

テレアマゾナスは、アルゼンチンでスポーツマーケティングのビジネスを展開するウーゴ・ジンキス被告が所有する企業の子会社。ウーゴ被告は息子のマリアノ・ジンキス被告とともに、FIFAをめぐる汚職容疑で米司法省から起訴され、米国への身柄引き渡しを控えている。

UEFAの元事務総長で先ごろFIFAの会長に就任したインファンティノ氏

国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)が公開したファイルによると、放映権の契約書にインファンティノ氏の署名があったとしている。

インファンティノ氏は5日、UEFAは契約に関連するすべての情報を公開してきたとする声明を発表。また、クロストレーディング社やその所有者と個人的にやり取りしたことはないとし、「この問題でUEFAや私が不正に関与したことを示す証拠はない」と述べた。

UEFAは、放映権の契約は公開入札で付与されたと指摘。「テレアマゾナス社とクロストレーディング社に放映権が付与されたのは、入札価格が市場で最も高かったためだ」としている。

インファンティノ氏はおよそ1カ月前にFIFAの新会長に就任したばかり。汚職問題に揺れたFIFAの立て直しが期待されていた。

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