米陸軍、シーク教徒士官のターバンとあごひげ認める

ターバンの着用とあごひげが認められたシムラトパル・シン大尉= The Sikh Coalition

2016.04.05 Tue posted at 11:35 JST

(CNN) 米陸軍はこのほど、インド出身のシーク教徒の兵士が制服着用時に長髪をターバンでまとめることを認め、あごひげも許可した。

ターバンなどを許可されたのはバージニア州フォートベルボアの部隊に所属するシムラトパル・シン大尉(28)。これまで自身の信仰と陸軍の規定の間で板挟みになり苦しんでいたという。

米国最大のシーク教団体によると、現役の兵士にターバンなどの着用が認められたのは初めて。ターバンと長髪とあごひげは、シーク教徒の男性の精神に深く結び付き、奉仕と正義への誓いを表す重要な意味がある。

子どもの頃から陸軍にあこがれていたというシン大尉は、「弱者のために立ち上がり、無防備な人たちを守るというシーク教の教えは、米軍の理想と共通する」と説明する。

昨年10月、陸軍に例外措置を申請し、12月に一時的な許可を取得。2月にその措置の失効が迫ったことから米国防総省を相手取って訴訟を起こし、このほど正式に許可が下りた。

アフガニスタンでの任務に従事する米軍兵士

陸軍幹部は今回の措置について、宗教への配慮から、危険を伴わない任務に従事する際は、長髪にターバンを着用して身なりを整えることを認めることにしたと説明している。

シン大尉はインドのパンジャブ州で生まれ、9歳の時に家族と共に米国に移住。10年前に陸軍に入隊して戦闘任務に従事し、2012年にはアフガニスタンに派遣された。

これまで軍の規定に従ってきたが、18歳で入隊してひげをそらなければならないと知った時は、ショックのあまり「自分の人生が10分で粉々に砕け散る」思いだったという。

今回の自分の行動が、ほかの人たちを鼓舞することにつながればとシン大尉は話している。

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