(CNN) ベルギーの首都ブリュッセルで先月22日に起きた連続テロ事件の現場の1つとなったブリュッセル国際空港の運営企業は2日、旅客便の運航業務の一部を3日に再開する方針を明らかにした。
32人の犠牲者と300人以上の負傷者が出た同事件から12日ぶりの再開となる。貨物便の業務は1週間前以上から始まっていた。
再開初日の旅客便は、ブリュッセル航空によるポルトガル・ファロ、イタリア・トリノとギリシャ・アテネ行きの出発便3便に限定する。同企業のアーノルド・フェイスト最高経営責任者(CEO)は、今後数日内に出発と到着の便数を増やすとしているが詳細には触れなかった。
空港の搭乗手続き業務の区画は爆弾爆発の影響で損壊したため、臨時の手続きカウンターを設置する。出発便の乗客の処理能力は1時間当たり800人で、通常時と比べ約20%の取り扱い件数となる。
旅客便の業務再開は、空港運営当局と警備を担当する警察が数日間の協議を経て合意した新たな保安対策を受けた措置。業務再開後の数日間は、空港への交通手段は自動車のみとし、バスや鉄道の公共輸送網の利用は禁止する。
空港敷地への入り口と新たな搭乗手続き用のカウンターでは保安検査を強化する。このため旅客便の利用客に対して出発時間の少なくとも3時間前には空港に到着することを促している。
テロ事件の発生後、ブリュッセル国際空港に乗り入れていた航空会社は欠航などの措置を強いられた。空港の業務再開後も便数の処理能力に制約があったり、需要の減少も見込まれ、航空会社が就航便の即時再開に動く可能性は少ないともみられる。