TV出演のメッシ、シューズ寄付で非難の嵐 エジプト

FCバルセロナの試合でプレーするメッシ選手(中央)

2016.04.01 Fri posted at 13:58 JST

(CNN) エジプトの民間テレビ局の番組でサッカーのスーパースター、リオネル・メッシ選手(アルゼンチン代表、FCバルセロナ所属)が慈善目的で自分の使ったサッカーシューズを寄付したところ、思わぬ反発を買ってしまった。

番組の女性司会者は、メッシ選手が世界中でさまざまな寄付を行っていると紹介しながら、赤と白のシューズをカメラに向けて持ち上げた。そして「今回、オークションにかけられるようにと番組にこれを提供していただいた」と説明し、メッシ選手に感謝の言葉を述べた。

ところが善意に基づく行為が、エジプトの人々からの強い反発を招いてしまった。

テレビ司会者で国会議員でもあるサイド・ハサシン氏は自身の番組内で「7000年に及ぶ文明の中で、私たち(エジプト人)がこれほどひどい屈辱を受けたことはない」と、シューズを寄付の品に選んだメッシ選手を非難した。

メッシ選手と所属するFCバルセロナからコメントは得られなかった。

エジプトの首都カイロの街並み。アラブ文化では靴は汚く、卑しいものの象徴とされる

問題は、アラブ文化において靴が持つ意味にあった。文字通り地面に接するものであることから、靴は最も卑しい品目の1つと考えられており、エジプト人の目には寄付するには汚く不適切なものに映ったのだ。

さらにはエジプトサッカー連盟の広報担当者までが批判に同調。「シューズは自分の祖国に贈ればいい。アルゼンチンは貧困に満ちている」とコメントした。

ここでメッシ選手の弁護に立ち上がったのが、エジプトの著名な元サッカー選手、アフメド・ホッサム氏だ。

現役時代、「ミド」の名で知られた同氏はツイッターで「作家にとって最も大切なものがペンであるように、サッカー選手にとって最も大切なものはシューズだ。誤った非難はやめよう」と呼びかけた。

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