共和党候補者3人が対話集会、党の分裂を露呈

これまでの予備選で代議員を最も多く獲得しているトランプ氏

2016.03.30 Wed posted at 18:04 JST

(CNN) 米大統領選に向けた共和党の候補者指名を争う実業家のドナルド・トランプ氏とテッド・クルーズ上院議員、ジョン・ケーシック・オハイオ州知事が29日夜、CNN主催の対話集会に臨んだ。「自分が敗れても党指名を獲得した候補者を支持する」とした昨年秋の誓約を事実上全員が覆すなど、党内の混乱と分裂をうかがわせる発言が続いた。

問題の誓約は昨年9月、共和党全国委員会(RNC)が提案した。その背景には、トランプ氏が指名争いに敗れた場合に独立系候補として出馬する可能性を封じようとする狙いがあった。共和党の指名をだれが獲得してもその候補者を支持し、自分が他党や独立系の候補として出馬することはないと誓う内容だった。

一方、共和党で最近懸念されているのは、指名レースが党大会にもつれ込み、党内の分裂が決定的となるシナリオだ。トランプ氏が獲得代議員数でトップに立ちながら党大会で指名を拒否された場合、同氏の支持者らが不満を爆発させる恐れもある。

誓約には3氏とも署名していたが、ケーシック氏は同日の対話集会で「だれも誓約などするべきではなかった」と発言。「指名候補が米国に害を及ぼしたり国を分断したりする人物だと判断したら、支持することはできない」と表明した。そのような人物としてトランプ氏を想定しているかどうかには言及しなかった。

テッド・クルーズ氏

またクルーズ氏は、トランプ氏が指名を獲得したら支持するのかという質問に、トランプ氏が共和党の候補者になることはないと答えた。そのうえで、同氏が指名されるという「大惨事」が起きれば、民主党のヒラリー・クリントン前国務長官に勝利を許すことになると主張した。

これに続いてトランプ氏は「共和党の指名候補がだれになっても支持すると今も誓うか」と問われ、「ノー」と言い切った。同氏はRNCや党主流派から「不当な扱いを受けている」と不満を述べる一方で、指名獲得に改めて自信を示し、2番手のクルーズ氏が敗れた時に「私を支持してもらう必要はない。私は国民から絶大な支持を得ている」「本人の気が進まないことを頼むつもりはない」と、強気の発言を繰り返した。

共和党の指名レースは、今後の流れを占ううえで重要なカギを握るウィスコンシン州の予備選を4月5日に控え、反トランプ勢力が同氏の指名阻止を狙った動きを加速させるなど、混迷の度合いを深めている。ウィスコンシンではクルーズ氏とケーシック氏の間で反トランプ票が割れ、結果的にトランプ氏が有利になる可能性も指摘されている。

共和党候補者3人が対話集会

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。