米軍の家族に退避指示、テロ懸念で トルコ南部

米国防総省がトルコに駐留する米軍関係者の家族に退避指示を出した

2016.03.30 Wed posted at 10:26 JST

ワシントン(CNN) 米国防総省は29日、トルコ南部に駐留する米軍関係者の家族に退避を指示したと発表した。

発表によると、トルコ政府や米国務省、国防長官と協議した結果、トルコのインジルリク空軍基地のほか、イズミルとムーラの施設から家族や民間人を退避させることにした。

当局者によると、この3施設には米兵らの家族約670人が残っている。退避を指示したのは、過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」に攻撃される恐れがあると判断したためだという。

関係者がCNNに語ったところでは、インジルリク空軍基地は数週間前から、米軍基地としては最高レベルの警戒態勢が敷かれていた。基地内にある子どもたちのための学校も数週間前から授業を中止していた。家族と一緒にペット287匹もトルコから脱出する。

一方、米国務省は、アダナにある米領事館に勤務する職員の家族にも退避を指示したことを明らかにした。

イスタンブールで警備に当たる警察官。トルコでは今年、5件のテロが発生している

同時にトルコへの渡航者に対しても、トルコ全土でテロの脅威が高まったとして、トルコ南部への渡航を避けるよう呼びかけた。トルコに駐在する職員には、不要不急の場合を除いて同国内での出張を控えるよう指示している。

国務省のカービー報道官は29日、アダナからの退避命令について、特定のテロ計画が発覚したわけではなく、過去数週間の治安状況分析に基づく判断だと説明した。退避させる家族の人数は「少数」と述べるにとどめた。

トルコでは今年に入って5件のテロが相次いでいる。うち2件はISIS、残る3件はクルド人武装組織の犯行とされる。

なお今回の退避命令は、アンカラやイスタンブールなどにいる職員の家族や民間人には適用されない。

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