FBI、テロ容疑者のiPhoneにアクセス アップルの協力受けず

FBIがiPhone(アイフォーン)からのデータ取り出しに成功

2016.03.29 Tue posted at 11:46 JST

ニューヨーク(CNNMoney) 米連邦捜査局(FBI)が米アップルに対し、テロ事件の容疑者が使っていたiPhone(アイフォーン)のロック解除を求めていた問題で、米司法省は28日、FBIが第三者の協力でデータの取り出しに成功したと発表した。

司法省の報道官は声明で「アップルの協力は必要なくなった」と述べ、裁判所を通したロック解除の要求を取り下げると表明した。当局者らは、取り出したデータの詳細には言及しなかった。

FBIは、昨年12月にカリフォルニア州サンバーナディノで起き、14人の死者を出した銃乱射テロ事件の容疑者2人のうち、サイード・ファルーク容疑者が使っていたiPhoneから手掛かりを得るため、アップルの協力を求めていた。

一方アップル側は、要求に従って「裏口」を作ればiPhoneユーザー全体の安全が損なわれ、サイバーセキュリティー上の危険につながるとの主張から、協力を拒否していた。

アップルの暗号化技術の信頼性に疑問が投げ掛けられるとの見方も

双方は先週出廷する予定だったが、司法省側は「iPhoneへ入り込む代替手法が外部からFBIに提示された」として、直前に延期を申請。判事がこれを認めていた。

当局がアップルの協力なしでデータを取り出したとなると、同社の暗号化技術に疑問が投げ掛けられることになる。

司法省は28日、代替手法は当該機種のiPhoneにしか使えないと強調した。ファルーク容疑者が持っていたのはiPhone5cで、基本ソフトはiOS9だった。

匿名を条件に記者団と話した捜査当局者も、ロック解除が成功した経緯や、FBIに協力した第三者の正体などは明かさなかった。同当局者はまた、FBIが将来、この手法をアップルに開示する可能性についても明言を避けた。

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