テロで高まる渡航への懸念 注意を払うべきことは

テロの脅威が増すなか、国外への渡航者には一段の注意深さが求められている

2016.03.28 Mon posted at 17:50 JST

(CNN) 世界各地でテロや騒乱が起きるたび、各国政府は渡航者や滞在者に警戒を呼びかける。ベルギー・ブリュッセルのテロでは空港と地下鉄が狙われ、米国務省は欧州への渡航者に対し、公共の場や公共交通機関では警戒するよう勧告。「周囲の状況に注意を払い、混雑する場所は避ける。宗教の祭日や大規模なフェスティバルやイベントでは特に注意する」よう促した。

だが「注意する」といっても、具体的にどう行動すればいいのか。渡航リスク管理やテロ対策の専門家にアドバイスしてもらった。

まず現地入りするに当たっては、空港が混雑しない時間帯の便を選んだ方がいい。そうした便は「不便かもしれないが、テロにとっても好ましくない」と専門家は指摘する。

空港に着いたらできるだけ早く保安区域に入り、目的地に到着後はできるだけ早く空港を出る。渡航先では自分の国の大使館や領事館がある場所を把握しておく。旅行日程表は家族や友人に渡しておくことが望ましい。

旅行先では「携帯電話に没頭したり、頼りなさげな観光客に見えないよう心掛けること」。出かける時はホテルを出る前に行き先を確認し、パスポートやカメラを首からぶら下げたりしてはいけない。人込みの中では周囲の人物に気を配る。

特に人気観光地では人込みは避けられないため、警戒を怠らないことが重要だ。「人込みの中のどこに立つかを考え、自分の弱点をさらさないようにする」。周囲の人物に不安を抱いたら、直感に従ってその場から離れる。

携帯電話の操作に没頭して周囲への警戒がおろそかになるのは禁物

同行者とはアプリやソーシャルメディアで連絡を取り合い、互いの居所を確認する。紙の地図を持っていればバッテリー切れの心配をせずに済む。

最悪の事態が起きた場合、「次に利用できる輸送手段で出国できるよう、常に準備を整えておく。つまり、現金やクレジットカード、パスポートなどは常に携帯し、同行者と連絡が取れるようにしておく必要がある」

ただ、危険地帯への旅行情報に詳しいジャーナリストのロバート・ヤング・ペルトン氏はこうした政府機関の注意情報について、「内容にあまり意味はない。たとえ勧告に従ったとしても、旅行者が危険を察知するためにできることはほとんどない」と指摘する。

安全対策が強化されている今はむしろ安全かもしれないと同氏は言い、「もしも心配なら、大きな外資系(米国系)のホテルは避け、よく宣伝されるような集まりには行かないこと。テロリストは大抵、有名な場所や人の多い場所を選ぶ」と助言する。

人気観光地へ行くよりも、地元の人と交流して日常生活の様子を知る方が充実した旅ができるかもしれない。不審な状況には地元の人の方が気付きやすい。

ただしニュースには常に気を配り、冷静な判断力を失ってはいけないと、人気ガイドブック「ロンリープラネット」発行人のトム・ホール氏は話している。

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