米軍、ISISナンバー2「財務相」殺害を発表

2016.03.26 Sat posted at 09:54 JST

(CNN) 米国防総省は25日、過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」幹部で「財務相」のアブドルラフマン・カドゥリ(別名ハジ・イマム)容疑者を殺害したと発表した。専門家らは同容疑者について、ISISナンバー2の地位にあったとみている。

最高指導者のバグダディ容疑者が殺害などされた場合、カドゥリ容疑者がISISの運営を担う予定だったともみられている。

米当局者によると、今回の作戦では、カドゥリ容疑者を生きたまま捕らえるのが狙いだった。特殊部隊を運ぶヘリコプターが同容疑者を乗せた車両に上空から接近したが、最終局面で何らかの問題が起き、車両を攻撃する決定が下されたという。計画変更の理由は明かさなかった。

アシュトン・カーター米国防長官は25日朝、記者会見を開き、カドゥリ容疑者の死亡を発表。「われわれは戦略的にISIL(ISIS)の幹部を殺害している」と述べたうえで、同容疑者が今月に入って殺害に成功した2人目のISIS幹部であることを指摘した。

カドゥリ容疑者の重要性については、「ISIL運営のための資金調達を管理していた指導者を殺害した」とし、ISISが戦闘員を採用し給与を支払う能力に打撃を与えたとの見方を示した。

米国の対ISISの戦いが節目を迎えたのかという質問に対しては、「われわれは確かに勢いを増しており、それが効果となって現れている」と答えた。ただ、同席していた米軍制服組トップのダンフォード統合参謀本部議長は、「戦いは終わっていない」として慎重な姿勢も示した。

カーター長官はまた、ベルギーの首都ブリュッセルで起きた連続テロなど欧州でのISISのテロ攻撃にも触れ、「パリやブリュッセルの事件は、世界中どこであれISIL(ISIS)掃討を加速させる必要があることを強く浮き彫りにした」と発言。欧州に協力していく米国の姿勢を強調した。

カドゥリ容疑者はイラク第2の都市モスル出身。ISISの母体となったイスラム武装組織「イラクのアルカイダ(AQI)」に参加すると、当時の指導者だった故アブムサブ・ザルカウィ容疑者の側近トップとして頭角を現した。

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