ワシントン(CNN) 米大統領選へ向けた候補者指名争いで、共和党は実業家のドナルド・トランプ氏、民主党はヒラリー・クリントン前国務長官がそれぞれトップの支持率を維持していることが、CNNと調査機関ORCによる最新の世論調査で分かった。
調査は17~20日、全米の成人1001人を対象に固定電話と携帯電話を通して実施された。
共和党員や同党寄りの有権者の間では、3人の候補のうちトランプ氏の指名獲得を望むと答えた人が47%を占め、2月に同氏を支持すると答えた49%からほぼ横ばいの割合となった。
2位のテッド・クルーズ上院議員は支持率31%、3位のジョン・ケーシック・オハイオ州知事は17%にとどまっている。ケーシック氏は指名争いから撤退するべきだとする意見が、共和党支持者全体の約70%、トランプ氏支持者の間では84%を占めた。
トランプ氏の独走に対しては、2012年の前回大統領選で共和党候補だったミット・ロムニー氏が「反トランプ」票の結集を呼び掛けるなど、指名阻止を図る動きも活発化している。ロムニー氏らが主張するのは、候補者指名に必要とされる代議員の過半数(1237人)をトランプ氏に獲得させず、7月の党大会で決選投票に持ち込む道だ。
過半数の代議員を確保する共和党候補がいなかった場合に、党大会では予備選などで最も多くの票を集めた候補を選出するべきだと答えた人は、トランプ氏の支持者を中心に60%前後に上った。
トランプ氏が指名を獲得した場合、同氏に対抗して共和党から新たな独立系候補を立てるとの案には、全体の35%、反トランプ派では51%が賛意を示している。反トランプ派でこの案に反対する人の間では、理由として「民主党が有利になる」との懸念を挙げる声が38%と最も多かった。
共和党の現状について、一致団結していると答えた人は8%にとどまった。現在分裂状態で、11月までこの状況が続くと答えた人は46%に上った。
一方民主党では、2人の候補のうちクリントン氏の指名獲得を望む人が51%、バーニー・サンダース上院議員を支持する人が44%。2月末に実施した世論調査の支持率はクリントン氏が55%、サンダース氏が38%と、今回より差が開いていた。
これまでに実施された予備選などの出口調査と同様、クリントン氏は中高年層や非白人、穏健派の間で支持率が高く、サンダース氏は50歳未満の若年層とリベラル派に強い傾向がみられる。
民主党内が現在団結していると答えた人の割合は38%と、共和党に比べて高かった。現在は分裂状態だが11月の本選挙までには団結すると回答した人は44%、本選挙の時点でも団結しないと予想する人は15%だった。