ワシントン(CNN) 米大統領選に向けた共和党の候補者指名争いでトップを走る実業家ドナルド・トランプ氏に対し、集会の妨害を図ったり抗議デモを実施したりする反対派の動きが激しさを増している。
アリゾナ州ファウンテンヒルズでは19日午後、トランプ氏の集会が開かれた会場付近の幹線道路で抗議グループが車を横向きに止め、支持者らの通行を妨害。
地元保安官事務所によると、会場へ向かう車が妨害をかわそうと反対車線に侵入し、何キロにもわたる渋滞が発生するなど大混乱となった。
保安官代理がCNNに語ったところによると、当局は抗議グループの3人を逮捕、車2台をレッカー移動した。保安官代理は逮捕者の容疑について、抗議行動自体ではなく交通妨害だと強調した。
トランプ氏は集会で、同州で大きな問題となっている不法移民に焦点を当て、メキシコ国境に壁を築くと改めて表明した。
一方、ニューヨーク市では同日、トランプ氏に抗議するデモ隊がセントラルパーク付近を出発し、同氏所有の高層ビル「トランプタワー」まで行進した。
交通整理の警官らに参加者が水のボトルを投げつけるなど小規模な衝突が起き、数人が催涙スプレーをかけられたり、逮捕されたりした。
デモは移民の権利を主張する団体や「反ファシスト」を名乗る団体が主催した。行進に加わったメキシコ人女性はトランプ氏のこれまでの発言に言及し、「私は麻薬密売人ではない。犯罪者でもないし、強姦犯でもない。憎悪は人間の魂にとって非常に危険な毒物だ」と抗議した。