漁船の中から武器2000丁、イランからイエメンへ輸送か

国籍不明の小型漁船の船内から大量の武器が見つかった=ABIS Sarah Ebsworth

2016.03.08 Tue posted at 10:18 JST

(CNN) オーストラリア海軍は8日までに、イランからソマリアを経由してイエメンへ向かう途中だったと思われる船をオマーン沖で阻止して、船内から大量の武器を押収したと発表した。

オーストラリア海軍艦「HMASダーウィン」は巡航中に、オマーン沖約300キロの海上で船籍のない小型漁船を発見。船内を調べたところ、漁網の下に隠してあったライフル銃「AK47」1989丁とロケット式手投げ弾100発を含め、2000丁以上の武器が見つかった。

米軍ではこの武器について、イエメンの武装勢力「フーシ」に供与する目的でイランから輸送されたものとの見方を強め、最終目的地についての情報収集に当たっている。

オーストラリア国防省報道官によれば、同船にはさまざまな国籍の18人が乗船していた。ただ、身分証明書類が正規のものかどうかは不明。乗員は当局のこれまでの調べに対し、ソマリアへ向かっていたと話しているという。

立ち入り検査を受ける漁船=ABIS Sarah Ebsworth

国際海事法に従って、武器を押収した後に船員は解放し、出航させた。

オーストラリア海軍は連合海上部隊(CMF)の一員として公海上を定期的にパトロールし、国籍不明の船に対する立ち入り検査を実施している。

イエメンではイランが支持するイスラム教シーア派の武装勢力フーシと、サウジアラビアなど湾岸諸国が支持するスンニ派のハディ大統領派の間で衝突が続く。イランは過去にもフーシへの武器供与を試みたとして、米国などが批判していた。

ソマリアも1990年代から内戦状態に陥り、国連はソマリアとイエメンの反政府勢力に対する武器輸出を禁止している。

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