シリア北部アレッポなどで空爆 停戦違反の報告相次ぐ

シリアでは停戦発効後も空爆などの違反行為が続いているという

2016.02.29 Mon posted at 10:13 JST

(CNN) 米ロ主導の停戦が発効したシリアでは戦闘行為が大幅に減少したものの、空爆など停戦違反の報告が相次いでいる。

在英の非政府組織(NGO)「シリア人権監視団」によると、シリア北部アレッポと西部ハマ南郊、そして過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」が「首都」と称する北部ラッカに対し、正体不明の空爆があった。

一方ロシアの国営メディアは、首都ダマスカスに対して反体制派支配地域から計6件の攻撃があり、2人が死亡、8人が負傷したと伝えている。

停戦は米国とロシアが提案し、シリアのアサド政権と反体制派主要勢力が受諾。26日に発効した。ただし、ISISや国際テロ組織アルカイダ系の武装組織「ヌスラ戦線」は停戦の対象になっていない。反体制派の主要団体「高等交渉委員会(HNC)」はアサド政権やロシアに対し、テロ集団への攻撃と称して反体制派を狙うことのないよう呼び掛けている。

シリアのアサド大統領

HNCの報道担当者はCNNとのインタビューで、政権軍による停戦違反は15件に上っていると主張。攻撃には、ドラム缶に火薬や金属片を詰めた「たる爆弾」やロケット弾が使われたと述べ、「だれかがアサド大統領に忠告しなければ、停戦違反はさらに拡大する」と懸念を示した。

同担当者はまた、アレッポを空爆したのはロシア軍機との見方を示し、この地域にISISやヌスラ戦線の部隊は展開していなかったと強調した。

HNCはこれら停戦違反についての詳細な書簡を国連のほか、シリア内戦の解決を目指す「国際シリア支援グループ」のロシア、イランを除いた全メンバーに送付するという。

同報道官は一方で、戦闘行為は全体として大幅に減っているとも語った。

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