犬の知能検査方法を開発、世界初か 英大学研究チーム

英大学のチームが犬の「知能検査」方法を創出したと発表

2016.02.20 Sat posted at 17:55 JST

(CNN) 英エジンバラ大学などの研究チームは20日までに、世界で最初とする犬の「知能検査」方法を創出したとし、人間が農場などで飼育するボーダーコリー68匹を対象にした障害物克服などの実験結果を報告した。

人間と同様、犬も測定可能なIQ(知能指数)を持っていると結論付けた。

実験では、透けて見える異なる障害物の後ろに餌を置き、犬が見付けて頬張るまでの時間の長短を調べる方法などを採用。また、2つの皿にそれぞれ餌を入れ、犬が大きいほうを判別出来るかも調べた。

これらの実験をより早くこなした犬はより正確に課題を処理出来たとの結論を下せることも可能だという。実験の成績では雄と雌の間に顕著な違いはなかった。実験に用いたボーダーコリー68匹は農場での飼育環境からゲームやほうびとして与えられる餌に慣れていなかったという。

研究チームは犬の知能は人間と違い、喫煙、飲酒や薬物乱用といった要因に影響されないため科学者に独自の研究材料を提供出来ると指摘。今回の実験結果は人間のIQと健康問題の間の関連性の理解を深めることを助けるとも強調した。

犬の「知能」の理解が人間の認知症の解明につながる可能性もあるという

実験作業には、英ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス・アンド・ポリティカル・サイエンス(LSE)の研究員も参加した。

研究員は、より聡明な人間はより健康で長寿とする傾向も幾つか見られると説明。犬の知力の構造が人間に似ているとすれば、喫煙などせず教育歴や収入での大きな違いへの配慮も不要な種を研究することは知能と健康の間の関連性をより良く理解することにつながる可能性があるともした。

また、今回の実験結果は人間の認知症の研究に新たな光をもたらす可能性もあると期待。「犬は認知症に特有な症状を多く発症する数少ない動物の1つ」とし、「犬の認識能力の理解は人間の認知症の原因を把握する上で貴重な材料になり得る。また、恐らく治療実験の開発や理解にもつながり得る」とした。

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