オバマ氏、「トランプ氏は当選せず」 米国民の分別に期待

オバマ大統領がトランプ氏について「大統領にはなれないだろう」と明言

2016.02.18 Thu posted at 18:34 JST

ワシントン(CNN) オバマ米大統領は18日までに、米大統領選の共和党指名候補争いで優勢な戦いを続ける実業家ドナルド・トランプ氏に触れ、大統領の職務はリアリティーショーに出るより厳しいものであり、米国民は分別があるため同氏を選ばないだろうとの見解を示した。

米カリフォルニア州で主催した東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳との会議後の記者会見で述べた。今回の大統領選に関しこれまで見られなかった率直な意見の吐露となっている。トランプ氏以外のクルーズ、ルビオ両上院議員などの共和党候補も批判的に裁断したが、トランプ氏に絞った否定的な評価が多かった。

大統領はこの中で「トランプ氏は大統領になれないだろうと信じ続けている」と強調。その理由として、「米国民を強く信頼している。大統領の職務は重大であり、トークショーを仕切るようなことは違う」とし、「販売促進や市場戦略でもない厳しい職務である。多数の国民は我々に正しい事の遂行を望んでいる」と述べた。

その上で、トランプ氏が米国の最高司令官にふさわしいのかについての疑念を示唆。核戦力の行使の決定権や21歳の国民に対する戦闘参加の命令、金融界の崩壊阻止のための施策など大統領が直面する試練に言及。

トランプ氏はオバマ氏の発言を「ほめ言葉」として受け止めるとした

また、米国だけでなく、分裂などの危機に直面する大きな問題を抱えて米国に何らかの対処を求める20カ国に対しても責任があると強調。「米国民は非常に分別がある。最後に賢明な判断を下すと考えている」と締めくくった。

これに対し、トランプ氏は米サウスカロライナ州ビューフォートの行事に参加した際、大統領の発言に触れ、「彼は大統領としてみじめな仕事ぶりを見せた」と反論。発言を「大きなほめ言葉として受け止める。オバマ(氏)から標的にされることも気にしない」と述べた。

一方、オバマ氏は民主党指名候補争いで大胆な改革を掲げるサンダース上院議員の挑戦を受けるクリントン前国務長官については、政治的な変化の推進を唱える上で難しい立場にあるとして同情をにじませた。

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