スカリア判事の死に「陰謀説」 トランプ氏も言及

米連邦最高裁のスカリア判事。その死因について、殺害を疑う見方が出ている

2016.02.17 Wed posted at 12:29 JST

ワシントン(CNN) 米連邦最高裁の保守派判事、アントニン・スカリア氏の死去をめぐり、何者かに殺害されたとの「陰謀説」が飛び交っている。司法解剖を行わないとした地元判事の判断が、疑惑の発端となったようだ。

大統領選の共和党候補者指名を目指す実業家ドナルド・トランプ氏は15日、ラジオ番組でスカリア氏の殺害疑惑についてコメントを求められ、「顔の上に枕が置かれた状態で発見されたそうだ。枕がそんな所にあるのはおかしい」と話した。

この番組の司会者で右派のマイケル・サベージ氏は、ケネディ大統領暗殺事件を検証した「ウォーレン委員会」のような調査委員会を設けるべきだと主張した。

一方、スカリア氏が亡くなったテキサス州の宿泊先のオーナーは16日、CNNとのインタビューで、地元紙に語った現場の様子を改めて説明。枕は「顔の上」でなく、ベッドに横たわった同氏の「頭上」に当たるヘッドボード際に置かれていたと話し、「ひと晩ぐっすり眠ったような姿だった。それ以外を示す証拠は何もなかった」と強調した。

捜査当局の情報筋もCNNに、「室内に犯罪行為の形跡はなかった」「捜査員には睡眠中に亡くなった人と、枕で窒息死した人の区別がつく」と語った。

スカリア氏の遺体は19日に最高裁に安置される予定

一方、ワシントン警察で刑事捜査を指揮した経歴を持つウィリアム・O・リッチー氏は14日、フェイスブック上で「司法解剖の指示がなかったのは驚きだ」とコメント。16日にはCNNとのインタビューで、「スカリア氏の遺体が最高裁に安置されるのは19日、葬儀は20日だ。まだ専門家に調べさせる時間はある」と力説した。

インターネット上ではこのほかにも陰謀説が盛んに飛び交っている。中央情報局(CIA)の秘密兵器とされる「心臓発作を起こさせる銃」に言及しているサイトもある。

ジョージ・ワシントン大学の法学者、ジョナサン・ターリー教授はCNNに、「最高裁判事という重要人物なのに司法解剖が行われなかったこと、現場へ駆け付けた保安官からの電話報告だけで死亡が確認されたことには驚いている」と語った。そのうえで、スカリア氏は健康上の問題を抱え高齢でもあったと指摘し、「宿泊先の部屋で息を引き取り、そのまま数時間放置された」と考えるのが自然だという見解を示した。

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