現在は「新たな冷戦」 ロシア首相が言及

ロシアのメドベージェフ首相

2016.02.14 Sun posted at 11:50 JST

(CNN) ドイツで開かれているミュンヘン安全保障会議で、ロシアのメドベージェフ首相は6日、欧米諸国との関係について「冷戦時代に後戻りしたといえるかもしれない」との見方を示した。

メドベージェフ首相は演説の中で、北大西洋条約機構(NATO)の対ロシア政策は「相変わらず非友好的かつ不透明」で、「新たな冷戦」を思わせる状況だと批判。「我が国はほぼ連日、NATOや欧州全体、あるいは米国に対する最大の脅威のひとつとして名指しされている」と不快感を示した。

欧米からみた関係悪化の原因は、ロシアによるウクライナでのクリミア半島併合や東部親ロシア派支援、そしてシリアへの軍事介入にある。シリア介入をめぐっては対テロ戦を主張するロシアに対し、欧米側は「アサド政権支援が主な目的ではないか」と非難する声が出ている。

一方、NATO欧州連合軍のブリードラブ最高司令官はミュンヘンでのCNNとのインタビューで、「NATOは冷戦を望んではいない。我々は防衛的な同盟として、武力で国境を書き換えようとする国に立ち向かう態勢を取っているのだ」と強調した。

キューバ危機に際して西ドイツに展開した米軍の戦車=1962年10月

米国のケリー国務長官は同会議で、ロシアがシリアで攻撃している対象は「正当な反政府組織」が中心だと改めて批判し、方針転換を求めた。ウクライナ情勢についても、ロシアは停戦合意に従うか、経済制裁を受けるかの選択を迫られていると指摘した。

長官はまた、米国が中東欧への戦闘部隊増派などに向け、欧州の安全保障に投じる予算を約4倍に増額すると表明した。

米国務省などによると、ケリー長官とロシアのラブロフ外相は会議の場で短時間ながら会談し、シリアでの停戦案や人道支援体制の確立について話し合った。

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