米連邦最高裁のスカリア判事が急逝 後継任命めぐり攻防へ

米連邦最高裁のスカリア判事

2016.02.14 Sun posted at 10:08 JST

(CNN) 米連邦最高裁のスカリア判事が旅行先の米テキサス州で急逝した。79歳だった。政府筋と遺族の友人が13日、CNNに語った。最高裁判事は共和党の大統領に指名されたスカリア氏を含む5人と、民主党大統領の指名を受けた4人で構成されており、スカリア氏の後任をめぐって政治的な駆け引きが起こる可能性が出ている。

政府当局者の話によると、スカリア氏は友人らと同州へ狩りに行っていた。12日夜に気分がすぐれないと言って寝室に入り、13日朝の朝食には起きてこなかった。友人らが同氏を置いて狩りに出た後、寝室の様子を見に行った人が呼び掛けた時にはすでに反応がなかった。

当局者によると、連邦保安局が遺体の送還を手配しているが、事件として捜査する予定はないという。

最高裁のロバーツ長官は「裁判所と国家にとって大きな損失だ」と述べた。

ホワイトハウスのシュルツ副報道官によると、オバマ大統領は13日午後に知らせを受け、ミシェル夫人とともに遺族に弔意を表した。

スカリア氏は保守派判事の代表格。最高裁判事は共和党の大統領に指名された同氏ら5人と、民主党大統領の指名を受けた4人で構成されていた。

民主党のオバマ大統領が在任中に後任を指名するのかどうか、その場合共和党主導の上院から承認を得られるかが注目され、11月の大統領選に向けた争点のひとつとなることが予想される。

スカリア氏はイタリア系米国人として初めて最高裁判事となった。保守思想とは裏腹に、就任当初からほかの判事らを質問攻めにして議論を活性化するなど型破りな行動で知られた。自身の考えを率直に述べ、差別や偏見を避ける「妥当な」表現はあえて使わない主義だったとされる。

同氏の元助手は「もともと好感を持たれていなかった場でも聴衆を魅了してしまうような、驚くべき個性の持ち主だった」と話している。

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