(CNN) メキシコ北部ヌエボレオン州の刑務所で10日深夜、敵対するギャングのリーダー間のけんかに端を発した大規模な暴動が起き、49人が死亡した。ヌエボレオン州知事の報道官が明らかにした。
事件が起きたのは同州モンテレイにあるトポ・チコ刑務所。12人がけがをし、うち5人は重篤な状態だという。
ビデオには、刑務所から上る炎が捉えられている。囚人が内部で放火したためだという。
暴動は10日午後11時半ごろ始まり、翌11日の午前1時半ごろに鎮圧されたという。
刑務所の周囲には、出動した州軍と国軍の部隊、それに受刑者たちの親族が集まった。CNNの系列局FOROtvに対し、中にいる家族が心配だと涙ながらに訴える人もいた。
ある女性はメディアに「何が起きているのかよく分からない」と語った。女性の息子は女性受刑者が収容されている区画に逃げ込んで難を逃れ、無事を知らせる電話をかけてきたという。
同じく女性受刑者の区画に逃げ込んだという別の女性の息子は「暴動が起きている。みんな殺されてしまう。助けに来てくれ」と電話で語ったという。
これまでに死亡した20人のリストが公表されており、当局は残る犠牲者の身元確認を進めている。
ヌエボレオン州のハイメ・ロドリゲス知事は暴動について「不幸で痛ましい」事件だと述べた。
メキシコでは過去にも刑務所での暴動や暴力事件が起きている。
2012年2月には、同じトポ・チコ刑務所で3人の受刑者が刺殺される事件が起きたほか、モンテレイ近郊の別の刑務所では暴動が起き、44人が殺され30人が脱走した。この暴動の原因も麻薬密売組織間の対立だった。
軍も出動し鎮圧