シリア和平協議、国連特使が反体制派と会談

国連のデミストゥラ特使が協議を主導する

2016.02.02 Tue posted at 11:40 JST

スイス・ジュネーブ(CNN) シリア内戦の終結を目指すアサド政権と反体制派の和平協議がスイスのジュネーブで始まった。国連のデミストゥラ特使は1日、双方の妥協点を探るため、主な反体制派でつくる「最高交渉委員会」(HNC)と会談した。

デミストゥラ特使によると、HNCは政治的解決だけでなく、政府に拘束された人物や政府軍に包囲された地域についても対応を求めている。同特使は、シリアの内戦終結を筆頭目標としながら、現時点では協議の継続と、シリア政府に拘束された人物のリスト入手を目指すとした。

2日には同特使とシリア政府の会談が予定されている。

HNCの広報は、「我々はこれを成功させるために来た。交渉開始の準備はできている」と期待を語った。

和平協議はこれまでにも2度にわたって行われたが、いずれも恒久的な停戦の実現には至らず、その間に30万人以上が衝突の犠牲になった。

デミストゥラ特使らは1月30日から作業に着手。国連安全保障理事会で先月採択された決議に基づき合意を目指す。決議には、市民に対する暴力の即時停止、シリア人主導の統治体制の確立と新憲法の起草、自由で公正な選挙、双方の合意に基づく包括的な暫定政権の樹立、人道援助の受け入れなどが盛り込まれている。

HNCはシリアの元首相リヤド・ヒジャブ氏(写真)からイスラム強硬派までそろう

しかし危機打開は容易ではない。シリアのアサド大統領は退陣するそぶりを見せず、反体制派は44年続いたアサド家による支配の終結を求めている。

和平協議は当初の予定では先週から始まるはずだったが、反体制派の代表選びを巡る協議のために日程がずれ込んだ。HNCには首相経験者からイスラム強硬派まで幅広い関係者が含まれる。

反体制派はアサド政権に対し、空爆の中止、政府に拘束された人物の解放、包囲された地域への人道援助受け入れを求めている。

和平協議でシリア政府代表を務めるジャファリ国連大使は31日、反体制派の要求について「非常に重要な議題になる。シリア国民として我々の間でも話し合う」と述べ、検討する意向を示した。

ジャファリ大使はまた、「個人との対話はしない。テロリストとも対話しない」と述べる一方、「誰がテロリストなのか、誰が反体制派なのかを見分けるのは難しい」とも指摘した。

ロシアのノーボスチ通信は外務次官の話として、ロシア代表団は1日にジュネーブでデミストゥラ特使や米国の代表団と会談すると伝えていた。

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