難民巡る対立激化 スウェーデンや英国で衝突、逮捕者も

難民を巡り、欧州で衝突も増えている

2016.02.01 Mon posted at 11:22 JST

ロンドン(CNN) スウェーデンや英国で週末にかけて難民問題を巡るデモや衝突が相次ぎ、負傷者や逮捕者が続出した。欧州各地で増え続ける難民の受け入れを巡る対立の激化が浮き彫りになっている。

警察によると、ストックホルムでは1月29日夜、約100人の集団が集まって難民襲撃を呼びかけるチラシを配った。一部は黒い服装に覆面姿だったという。

地元のマスコミやソーシャルメディアでは難民に対する暴行の情報も伝えられたが、警察には民間人が襲撃されたという通報は入っていないという。

警察は、私服警官に対する暴行の容疑で男1人を逮捕したほか、騒ぎを起こしたなどとして5人を拘束したが、6人とも30日に釈放された。襲われた警官にも大きなけがはなかった。

警察はこの夜の集会の情報を事前に察知して大量の警官を配備し、難民襲撃を食い止めたと説明している。

欧州を目指して、荷物を運ぶ難民のカップル

30日にはストックホルム中心部で、難民排斥集団に対する抗議デモが行われた。

一方、英南東部ドーバーでは30日、極右集団と人種差別反対を訴える集団の間で衝突が起きた。ドーバーは対岸のフランス行きフェリーの出航地で、欧州大陸と英国を結ぶ英仏海峡トンネルの起点でもある。

極右集団は「多文化主義は失敗した」というプラカードを、人種差別反対集団は「難民歓迎」のプラカードをそれぞれ掲げてデモを展開していた。

警察によると、この衝突で1人が腕を骨折する重傷、5人が軽傷を負った。警察は警棒や発煙筒を使って騒ぎを制圧し、3人を逮捕。刃物やメリケンサック、棒、ハンマーなど20あまりの武器を押収した。

これに先立ちメードストーン近郊にある高速道路のサービスエリアでも、デモに向かおうとしていた集団同士の衝突があり、6人が逮捕された。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。