(CNN) シリアの反体制派「シリア人権監視団」は30日までに、過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」がカリフ制国家の樹立を2014年6月に宣言して以降、シリア内でこれまで計3895人を処刑し、うち半数以上は民間人とする報道機関向け声明を発表した。
殺害された民間人2114人には子ども78人と女性116人が含まれる。処刑の方法は銃殺、斬首、石投げ、高い建物からの突き落としや放火などとなっている。
この他の処刑の対象者はシリア軍の兵士、アサド政権支持の民兵組織の構成員やアルカイダ系組織の戦闘員らとなっている。
CNNはこれらの情報の真偽を確認していない。英ロンドンに拠点を持つシリア人権監視団は公式サイトで自らの組織について、政治団体や国家とはいかなる関係もない非営利機関としている。
同監視団によると、ISISは組織構成員だった計422人も抹殺している。逃亡、外国のためのスパイ活動の他、イスラム教の人物を神格視するなどの「過激主義」の罪が理由としている。
また、イスラム教唯一の神であるアラーをのろうなどの背教行為、不倫、アルカイダ系過激派「ヌスラ戦線」との接触や同性愛などの理由で処刑された例もある。ある女性は夫から逃亡したため殺されたという。
民間人の処刑は複数の場所で発生しており、東部デリゾールではイスラム教スンニ派のアラブ系住民939人が、コバニでは少数派クルド人223人などが殺害された。
昨年12月29日から翌年の1月29日までの間には一般住民113人を含む188人が処刑された。うち64人はシリア軍兵士もしくは政権支持の民兵だったとしている。
ISISは、イスラム教預言者ムハンマドの後継者であるカリフが治める「国」の樹立を宣言。その支配地はイラクの西部や北部も含むとしている。首都はシリア北部のラッカと称している。
同組織の最高指導者はアブバクル・バグダディ容疑者となっている。