米共和党討論会、トランプ氏不在で盛り上がり欠く

トランプ氏が欠席したフォックス・ニュース主催の討論会=Fox News

2016.01.29 Fri posted at 20:39 JST

米アイオワ州デモイン(CNN) 米大統領選の初戦となる民主、共和両党の党員集会を間近に控えたアイオワ州で28日、共和党の指名獲得を目指す候補者たちによるフォックス・ニュース主催のテレビ討論会が行われた。

支持率でトップに立つ実業家のドナルド・トランプ氏がフォックスへの不信感を理由に欠席するなか、他の候補者たちの議論はこれまでよりもかなり無難な内容に終始。個人攻撃や芝居がかった言い回しによる激しい応酬はほとんど見られなかった。

2時間に及んだ討論の冒頭で、参加者たちはそれぞれトランプ氏の不在に言及。アイオワ州の直近の世論調査で支持率2位につけるテッド・クルーズ上院議員は、トランプ氏の辛辣(しんらつ)な口調をまねて同氏のいない討論を歓迎するコメントを口にした。

一方でジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事は「彼がいなくてちょっと寂しい」と冗談めかして語った。またマルコ・ルビオ上院議員はトランプ氏が大統領選の話題の中心にいる現状に不満を表明し、大統領選本選で民主党の候補者に勝利することに集中するべきだと主張した。

支持率2位でトランプ氏を追うテッド・クルーズ上院議員=Fox News

そのルビオ氏は、移民問題に関する討論で守勢に回った。「不法入国の移民に対する市民権の付与は支持しない」と明言したものの、他の候補者は同氏がかつて移民法改正に向けて超党派の議員グループを率いていたことを指摘。ブッシュ氏は「保守派の受けが良くないものだからあわてて立場を変えた」とルビオ氏を批判した。

一方、安全保障政策の議論では、国家安全保障局(NSA)の情報収集活動に一定の制限をかける法案の採決で賛成票を投じていたクルーズ氏が苦戦を強いられた。クリス・クリスティー・ニュージャージー州知事は、クルーズ氏の賛成票で法案が可決し「米国の安全は低下した」と断言。ランド・ポール上院議員もクルーズ氏に対し、保守派として一貫性に欠けるとの見解を示した。

クリスティー氏はまた、クルーズ、ルビオ両氏について、有権者にとってはどうでもいい政策手順の議論にばかり長けた典型的なワシントンの政治家だと批判。自らはワシントンにとっての部外者であり、両氏とは一線を画す存在であることをアピールした。

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