(CNN) 世界保健機関(WHO)マーガレット・チャン事務局長は28日、蚊が媒介する感染症のジカ熱について、米大陸で「爆発的に広がっている」との見方を示した。別の専門家によると、同地域での感染者はこの1年で300万~400万人に達すると推定される。
チャン事務局長は同日開かれた委員会で、ジカ熱について「不確実性が大きいことから警戒水準は高い」と述べ、「早急に答えを出す必要がある」と指摘した。
WHOの専門家によると、ジカ熱を媒介する蚊は南米アルゼンチンから米国南部まで、米大陸のほぼ全土で確認されている。免疫がないことも感染が急拡大する一因になっているという。
感染者300万~400万人という数字には、症状が出ていない人も含まれる。推計にはデング熱など蚊が媒介する感染症のデータを利用した。
チャン氏によれば、ジカ熱が流行している地域では、新生児の小頭症や、手足がまひして命を落とすこともあるギラン・バレー症候群の症例が急増している。
ジカ熱と小頭症やギラン・バレー症候群との因果関係は立証されていないものの、懸念すべき相当の理由があるとWHOの専門家は指摘。米疾病対策センター(CDC)は28日、強い因果関係がうかがわれるとの見方を示した。
チャン氏はジカ熱の感染拡大についての対応を協議するため、スイスのジュネーブで2月1日に緊急会合を招集した。会合では国際社会の警戒水準や、流行地域での対策、ジカ熱と神経疾患との関係について話し合う。