大統領宮殿近くで爆発、11人死亡 ISISが声明 イエメン

イエメン南部アデンの大統領宮殿近くで、車を使った自爆テロが発生

2016.01.29 Fri posted at 11:00 JST

イエメン・サヌア(CNN) イエメン南部の港湾都市アデンで28日、ハディ大統領の住む宮殿近くで車を使った自爆テロがあり、少なくとも11人が死亡、6人が負傷した。

この事件について過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」が犯行を認める声明を出した。

イエメンはサウジアラビアとイランの代理戦争の場となっているほか、ISISやアラビア半島のアルカイダといったイスラム武装勢力の標的にされている。

アデンの治安当局者によると、28日の爆発の死者には学校に通う子ども2人と治安部隊の数人が含まれる。イエメン軍の司令官も負傷して重体となった。

複数の治安当局者によると、ハディ大統領にけがはなかった。ただ、事件当時ハディ大統領が宮殿内にいたかどうかについては情報が錯綜している。

イエメンのハディ大統領

ISISはインターネットに犯行を認める声明を掲載し、戦闘員の1人が自爆したと主張した。

イエメンでは2015年1月、イランとつながりのあるイスラム教シーア派の武装勢力フーシが首都サヌアを制圧。ハディ大統領率いるイスラム教スンニ派政権は首都を追われ、アデンを拠点としている。

スンニ派が主流のサウジアラビア率いる有志連合は同年3月からフーシの拠点を狙った空爆を開始した。国連によると、この衝突で市民2800人以上が死亡している。

有志連合の空爆で昨年7月にフーシがアデンから一掃された後は、ISISやアルカイダ系の組織がテロを繰り返し、過去2カ月で政府関係者少なくとも32人が死亡している。

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