トランプ氏、フォックス主催の討論会に欠席表明

トランプ氏はフォックス主催の討論会出席を見送る方針だという

2016.01.27 Wed posted at 12:47 JST

ニューヨーク(CNNMoney) 米大統領選で共和党の指名獲得を目指す実業家ドナルド・トランプ氏が、28日に予定される同党の候補者討論会を欠席するとの意向を示している。主催のフォックス・ニュース・チャンネルとの間で確執が決定的になったためだ。

トランプ陣営の選挙事務所責任者は26日夜、中西部アイオワ州での記者会見で、同氏が討論会への出席を見送ることは「確定」し、交渉の余地はないと述べた。同州では2月1日に初戦の党員集会が開かれる。

トランプ氏は討論会とは別に、アイオワ州で独自のイベントを開くという。同責任者は、フォックス以外のテレビ局と提携し、負傷兵への募金集めのイベントにする案があるとしたうえで、「フォックスの視聴者は2400万人から200万人前後まで激減するだろう」と語った。

その直前にはトランプ氏自身も、討論会に対抗して同じ時間に同州でイベントを開く可能性が高いと表明。「私のいない討論で、フォックスがどの程度収益をあげられのかが見ものだ」と発言した。

フォックスはこれに先立ち、トランプ氏を中心とする出席者のリストを発表していた。同氏の欠席表明に対するコメントは出していない。

トランプ氏が決断に至った背景には、討論会の司会陣として出演が予定されるフォックスのアンカー、メーギン・ケリー氏との数カ月間に及ぶ対立がある。

昨年8月の討論会で司会を務めたメーギン・ケリー氏=Fox News

ケリー氏は昨年8月に開かれたフォックスの討論会で、トランプ氏を厳しく問い詰めていた。トランプ氏がケリー氏を「偏向していて司会にふさわしくない」と非難したのに対し、フォックス側は25日、トランプ氏はケリー氏に「恐れをなしている」と主張した。

トランプ氏は26日午後1時ごろ、ツイッターを通して支持者らに「私は討論会に出るべきだろうか」と質問した。支持者らの答えは「出席するべき」「見送るべき」と、ほぼ半々に分かれた。

同氏はこの支持者アンケートと並行してインスタグラムに映像を投稿し、この中でも「ケリー氏が私に偏見を持っていることは周知の事実だ。討論会で公正な司会ができると思うか」と問い掛けた。

フォックスの報道担当者は約1時間後、トランプ氏は大統領になっても「首脳会談に出るべきかどうか」とツイッターでアンケートを取るつもりだ、と皮肉る声明を出した。

トランプ氏は声明を受け、「フォックスが討論会の視聴率を上げようとあがいている」とツイート。「私なしでは視聴率など取れない」と断言していた。

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