ロシア、シリア内に新たな空軍基地検討か トルコ国境近く

ロシア空軍がシリア北東部に基地を設けることを検討か

2016.01.23 Sat posted at 17:18 JST

ワシントン(CNN) 米政府当局者は23日までに、ロシアがトルコとの国境に近いシリア北東部に新たな空軍基地を設けることを検討している可能性があると述べた。

限られた人数のロシア軍要員がシリア・カミシュリにある飛行場を視察していることが確認されたという。CNNの取材に応じた複数の米政府当局者によると要員の任務は調査と見られ、飛行場の活用方法を探った可能性がある。ただ、訪問の真の意図は不明としている。

米政府当局者は、トルコとロシアの関係が悪化していることを踏まえ、ロシア軍要員の今回の行動の背景などを分析していると述べた。両国関係は昨年、トルコ軍が自国領空を侵犯したとするロシア軍用機を撃墜したことで険悪化していた。トルコ国境近くでロシア軍が空軍の拠点構築を模索していることが事実なら、両国関係の新たな摩擦材料とも成り得る。

カミシュリの飛行場は以前、シリアのアサド政権が使っていた。少数民族クルド人の支配地域に近い所に位置し、同地域では現在、米軍主導の有志連合軍が過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」の掃討戦を進めている。

カミシュリは、ロシア空軍がシリア内の主要拠点としている地中海沿いのラタキアの基地からは遠く離れている。

シリア北東部カミシュリは現在の主要拠点のラタキアの基地からは遠く離れている

一方、戦略分析問題などを手掛ける米民間企業ストラトフォーは22日、クルド人が押さえるシリア北部ハサカ県ルメイランにある飛行場で滑走路拡張と見られる工事が進んでいることを示す衛星画像を入手したと報告した。

米国によるシリア反体制派の支援拡大の措置ともみられるが、滑走路延長への米国の関与は確認出来ていないとしている。中東を管轄する米中央軍の報道担当者は米国がシリア内で掌握している飛行場はないと指摘した。

ただ、英ロンドンに拠点がある反体制派「シリア人権監視団」は信頼すべきとする複数の消息筋を引用し、ルメイラン飛行場で過去数週間続いている拡張工事が終われば、米国の大型航空機の使用が開始されるだろうと報告した。

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