米軍、アフガンでISIS支部の掃討戦強化 権限付与で

アフガンでの対ISIS戦で、米軍の権限が強化される見通しとなった

2016.01.21 Thu posted at 17:14 JST

ワシントン(CNN) アフガニスタンにも勢力浸透を図る過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」の拠点に対する掃討作戦の強化や拡大を可能にする新たな権限が米国防総省に与えられたことが21日までにわかった。

同省当局者によると、米国務省が先週、アフガンとパキスタンのISIS系組織を外国テロ組織と指定したことを受け、米軍の交戦規定の変更に伴う措置となっている。この新たな権限付与は米紙ウォールストリート・ジャーナルが最初に報じていた。

テロ組織の指定を受けたのは、アフガンとパキスタンのISIS支部とされる「ISISホラサン」。既に民間人やアフガン政府当局者を標的にした自爆や小火器を使った攻撃、誘拐などの犯行を重ねているとされる。

米政府当局者によると、米軍は今後、米国への脅威と新たに位置付けられたISISホラサンの構成員の追跡や攻撃を加速させることが可能となった。従来の交戦規定では、現場で同組織の戦闘員が最初に米軍に脅威を与えたり特定の反テロ作戦の遂行の過程で戦闘員の追跡が必要となった状況の存在などの条件が付けられていた。

ISISの宣伝写真。アフガンやパキスタンの支部に所属する戦闘員の正確な人数は不明

米政府によると、ホラサンは2015年1月に発足し、ISIS指導者のバグダディ容疑者に忠誠を誓った。抱える戦闘員らの人数は正確にわかっていないが、アフガンの反政府武装組織タリバーンやパキスタンのパキスタン・タリバーン運動(TTP)を離脱した個人が多くいるとされる。

米国防総省当局者によると、ホラサンの指導者はTTPを離れたハフェズ・サイード・カーンと名乗る人物。

米下院軍事委員会のマック・ソーンベリー委員長はホラサンを対象にした交戦規定の変更が遅れたとしてオバマ政権を非難。声明で脅威と認定するのに1年もかけるような問題ではないと主張。

同委は、米軍は2月も含め昨年2度にわたってホラサン掃討の許可を求めたと認識していると指摘。しかし、オバマ大統領の行動力不足にまたも阻まれ、ホラサンの脅威否定もあり、同組織の成長を許し、米軍とアフガンの協力相手が直面するリスクをさらに拡散させることになったと批判した。

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