緊迫の朝鮮半島、核に備えよ 在韓米軍専門部隊に密着 CNN EXCLUSIVE

2016.01.25 Mon posted at 18:02 JST

韓国・ソウル(CNN)  北朝鮮が4度目となる核実験の実施を発表し、2万8000人規模の在韓米軍は警戒態勢に入っている。なかでも、警戒を強めているのは、化学兵器や生物兵器、核攻撃への防衛を最初に行う第23化学大隊だろう。

同大隊の司令官を務めるアダム・ヒルバー中佐は「我々はここで他部隊よりも厳しい訓練を行っている。準備を整えなければならないことを知っているし、それが出来る唯一の部隊であることも分かっているからだ」と語る。

CNNは、核兵器貯蔵庫のように仕立てられた施設で部隊員が行った地下訓練の様子を取材した。

隊員は「レベルB」のスーツに身を包み、耐薬品性のブーツをはき、背中の空気タンクとつながっているガスマスクを装着する。リモートコントロール式のロボットを先に送り、放射能レベルや化学物質の測定を実施。隊員が中に入り、「イエローケーキ」を発見した。イエローケーキは核兵器の開発にもつながる物質で、北朝鮮が保有していると信じられている。

シナリオは訓練用のものだが、現実に基づいている。ヒルバー中佐は「戦場で直面したり使用したりする可能性がある全てのものに確実に対応できるよう訓練を調整するため最新の情報を取り入れている」と話す。

訓練を深い地下で行うのも現実味を増すためだ。北朝鮮の核や化学関連の施設の多くは、人工衛星から逃れるため、地下にあると考えられている。

訓練に参加した隊員の1人、キャメロン・アームストロング軍曹は、山岳地帯には洞窟などがあり、そうした場所が地下施設として利用されている可能性が高いと指摘する。

現在は北朝鮮の核開発に注目が集まっているが、北朝鮮の化学兵器を警戒する声もある。隊員の1人は、北朝鮮が保有する量や使うタイミングが分からないため、化学兵器のほうがより大きな懸念かもしれないとの見方を示した。

在韓米軍化学部隊、その訓練とは

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