トランプ氏とクルーズ議員が舌戦、米共和党討論会

ライバルのクルーズ氏らと激しい応酬を繰り広げたトランプ氏

2016.01.15 Fri posted at 18:56 JST

米サウスカロライナ州ノースチャールストン(CNN) 11月の米大統領選に向けた共和党候補者のテレビ討論会が14日、米FOXビジネスネットワークの主催でサウスカロライナ州で開かれた。全国的に支持率でリードする実業家ドナルド・トランプ氏とそれを追うテッド・クルーズ上院議員が舌戦を繰り広げたほか、他の候補者も存在感を示そうと白熱した議論になった。

クルーズ氏は、トランプ氏が最近、カナダ生まれのクルーズ氏には大統領になる資格がないと主張しているのを受け、「9月に友人のドナルドが弁護士を使ってあらゆる角度から調べたと言っていた」「出生にかかわる問題は何も出てこなかった」と反論。「それ以降(大統領の資格を規定する)憲法は変わっていない。支持率は変わったが」と皮肉った。

来月1日に最初の党員集会が開かれるアイオワ州では、両者の支持率が肉薄している。選挙戦の大半で両者は友好的なムードだったが、ここにきてトランプ氏がクルーズ氏の支持層に食い込もうと、大統領資格への疑問を訴え続けている。

トランプ氏はまた、クルーズ氏がトランプ氏を「ニューヨークの価値観を体現した」人物だと揶揄(やゆ)していることについて説明を要求。クルーズ氏が、ニューヨーク市民はリベラルな視点で社会を捉え、金やメディアが生活の中心となる傾向があると述べ、マンハッタンからはあまり保守主義者が出てこないと発言すると、トランプ氏はこれに強く反発。2001年の米同時多発テロでのワールド・トレード・センターの崩落を自身も目の当たりにし、そこから立ち直っていった姿こそがニューヨーク市民の真の精神を表していると述べ、クルーズ氏の発言は「侮辱的」だと非難した。

カナダ生まれのクルーズ氏は、大統領資格の問題でトランプ氏に反論

マルコ・ルビオ上院議員もクルーズ氏への攻撃に参加。クルーズ氏は保守主義のふりをしているに過ぎず、移民問題などで姿勢が一貫していないと批判した。

クルーズ氏は、上院議員選挙の期間中に受けた巨額の融資を開示しなかったとするニューヨーク・タイムズ紙の記事について問われると、上院には書類を提出したが選挙管理委員会への提出に漏れがあり、「書類上の不備だった」と述べた。

クリス・クリスティー・ニュージャージー州知事とルビオ氏も激しいやりとりを交わした。両者とも保守主義の理想を語った上で、ルビオ氏はクリスティー知事が銃規制や教育、家族計画の支援などでオバマ政権と同じ立ち位置にいると批判。クリスティー知事はこれに対し、州知事としての経験を強調し、「これが知事と上院議員の違いだ。上院議員の仕事は話すことだけだ」「2年前、彼は私をニュージャージー州が必要とする保守主義の改革者だと呼んでいた」と反論した。

ジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事は、イスラム教徒の米国への入国を一時的に禁止する方針を示すトランプ氏に対して、ISIS掃討に必要なアラブ諸国との連合形成が不可能になると批判して再考を求めた。一方、ジョン・ケーシック・オハイオ州知事とクリスティー知事は、シリア難民の入国を一時的に禁止すべきとの立場を示した。

オバマ大統領が今月打ち出した銃規制強化策については、複数の候補者が合衆国憲法修正第2条を守る必要があると訴えた。ルビオ氏は「この大統領は、もし米国のすべての銃を押収可能なら、実際にやる男だ」「これは民主主義ではない。独裁だ」と強く批判した。

支持者獲得に向け批判の応酬

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