イラン、米海軍の船舶2隻を拿捕 乗組員10人拘束

2016.01.13 Wed posted at 09:36 JST

ワシントン(CNN) 米国防当局高官は12日、ペルシャ湾を航行していた米海軍の小型船舶2隻がイランに拿捕(だほ)され、乗組員10人が拘束されたことを明らかにした。

同高官は、船舶が短時間ながらイラン領海に入っていたとの見方を示すとともに、事態はまもなく収拾に向かうだろうと述べた。

アーネスト米大統領報道官はCNNとのインタビューで「我々はイラン側から、兵士らが無事であり、まもなく航行を再開できるとの確証を得ている」と語った。

ただ米当局者によると、船舶がイランを出るのは13日の夜明け以降となる可能性がある。

米政権高官がCNNに語ったところによると、船舶はクウェートからバーレーンへ向かっていた。交信が途絶えたのはイラン領のファルシ島付近。意図的にイラン領海へ入ったのかどうかは明らかでない。国防当局高官によると、どちらの船からも救難信号は送られていなかった。

イランの政府系ファルス通信は、革命防衛隊(IRGC)が男性9人、女性1人の乗組員を「逮捕」したと伝えた。一方、国営イラン通信(IRNA)は、イラン海軍が船舶を「救助」したと伝えている。

米当局者によれば、ファルシ島周辺はイラン海軍よりはるかに攻撃的なIRGCの活動が盛んな海域とみられる。同当局者は、米船舶のうち1隻が失速し、イラン領海内へ漂流した可能性もあるとしている。

ファルス通信はまた、米船舶が機関銃3丁を装備していたと伝えた。IRGCが押収したGPS装置の記録によると、船舶はイラン領海の境界から1.6キロ余り侵入していたとみられる。

ローズ米大統領副補佐官(国家安全保障担当)はCNNに「我々は事態を認識し、早期収拾を図っている」と語った。ケリー米国務長官も事態収拾に向け、イラン外相と電話で会談した。

米大統領選の共和党候補らはただちにこの問題を取り上げ、オバマ政権の「弱さ」の表れだと批判した。オバマ大統領は現地時間12日夜、一般教書演説に臨む。

イラン核問題をめぐる最終合意に基づき、欧米側は近く同国への経済制裁を解除する見通しとされるが、その手続きに影響が出る可能性も指摘されている。

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