(CNN) オバマ米大統領は7日夜、銃規制をテーマとするCNN主催の対話集会に出席し、大統領権限で打ち出した規制強化策への国民の支持を訴えた。
集会の中でオバマ大統領は規制強化反対派の主張に触れ、「(反対派は)国民から銃が取り上げられると吹聴している」と批判。そうした主張は「事実無根であり、度を越したものだ」と強調した。
大統領権限で打ち出した対策には、銃購入者の身元審査を厳しくすることによって、展示会などで売買される場合の抜け穴をふさぐ措置などが盛り込まれている。
これに対して、ほとんどの犯罪者は銃を違法に入手するか、知人を通じて手に入れていることから、身元審査の厳格化は無意味だとする反論もある。
しかしオバマ大統領はそうした主張を退け、「他人や自分自身に危害を加えるような人物の手に銃が渡らないよう、あらゆる対策を講じるべきだという点については誰もが賛成できるはず」と指摘。「この制度で一人残らず捕捉できるわけではない。だが、ここに集まった人たちの一部が味わったような悲しみから、たくさんの家族を救うことはできるかもしれない」と訴えた。
あと1年で任期切れを迎える大統領が対話集会に出席するのは異例。オバマ氏は銃犯罪の被害者や牧師など銃規制強化を支持する人たちからの質問に答えるとともに、銃関連団体の幹部や保安官、強姦事件の被害者といった反対派の意見にも耳を傾けた。
銃規制強化に反対する有力団体、全米ライフル協会(NRA)は対話集会への出席を拒否した。オバマ大統領はそれでも同団体との対話に前向きな姿勢を示す一方で、「『オバマが銃を取り上げようとしている』といったでっち上げではなく」、事実に基づく対話を望むとくぎを刺した。
大統領自身は、ハワイで育ったために銃を持ったことがなく、ほとんど経験もないと打ち明けている。
集会にはCNNが招いたゲスト100人あまりも出席した。この中には2011年に銃で撃たれて重傷を負ったガブリエル・ギフォーズ元議員や銃規制強化を訴える夫のマーク・ケリー氏、映画「アメリカン・スナイパー」のモデルになった元兵士クリス・カイル氏の妻で、銃規制強化に反対するタヤ・カイル氏なども含まれる。
CNNとORCが同日発表した世論調査では、米国民の過半数がオバマ大統領の銃規制強化策を支持すると答えた。半面、それでも銃犯罪による犠牲者の数は減らせないという回答も57%を占め、議会を通さず大統領権限で規制を強化するやり方には54%が反対を表明した。
反対派の主張は「事実無根」