（ＣＮＮ） 小型の無人飛行機（ドローン）を使って撮影した写真や動画の共有サイト「ドローンスタグラム」は、その名が示す通り、ドローンコミュニティーが無料の画像共有アプリケーションソフト「インスタグラム」に対して出した答えだ。
現在、ドローンスタグラムには３万人以上のユーザーが、中国北部にある古代の陵からメキシコの崖からダイバーが飛び降りる瞬間まで、さまざまな写真を掲載している。
今回は、ドローンスタグラムを創設したフランス人起業家エリク・デュパン氏にインタビューを行い、ドローン写真の未来と人々を引き付けてやまない航空写真の魅力について聞いた。
◇
ＣＮＮ：なぜ人は地球を上空から撮った写真に引かれるのでしょうか
エリク・デュパン氏：恐らく、人が空を飛びたいという願望を常に持っていたのと同じ理由でしょう。飛行機に乗ると、窓際の席から動かず、しきりに下の景色を見ている人がいます。今は衛星写真やグーグルアースのようなアプリもあるので、われわれは地球を上空から見ることに慣れています。しかし、ドローンを使うことにより、今までにない新しい方法で世界を見ることができます。まるで鳥が見ているように、低高度かつ近くから風景や建物を見ることができるのです。
インドネシア・バリ島のバラット国立公園でワシを撮影＝DRONESTAGRAM/CAPUNGAERO提供
ＣＮＮ：優れたドローン写真とはどんな写真ですか
デュパン氏：一目でドローン写真と分かる写真、つまり低高度で、被写体の近くから撮影され、ドローン以外の機器を使って撮影するのは不可能であることが一目瞭然の写真です。他の飛行装置では到達できない場所の写真を撮影できるのがドローンの魅力の１つです。
ＣＮＮ：これまでで最も人気を集めた写真はどんな写真ですか
デュパン氏：インドネシアの有名なワシの写真で、これまでの閲覧数は１２万６０００件に達しています。
ＣＮＮ：一般人はドローンに対してどのようなイメージを持っていると考えますか
デュパン氏：ドローンについてよく知らないためにこのような飛行装置を恐れ、他人やマスコミの言うことを繰り返す人々もいます。しかし、私の知人の大半はドローンに魅力を感じていますし、特にドローンを使った写真撮影のデモを見せると大変強い興味を示します。
ＣＮＮ：ドローン写真でワクワクする技術的進歩があれば教えてください
デュパン氏：これまで屋内で撮影されたドローン写真が大きく取り上げられることはありませんでしたが、今はそのような写真のためのマーケットがあると思います。またドローンがインターネット上で簡単に生中継できるようになれば、それも大きな出来事になるでしょう。
シドニー・オペラハウスの向こうから日が昇る＝DRONESTAGRAM/IFLYWITHMYLITTLEYE提供
ＣＮＮ：ドローン写真家たちの最大の課題は何ですか
デュパン氏：ドローン以外の装置では撮影できない独特の画像を表現する、新しい写真用の『言語』を作り出す必要があります。
ＣＮＮ：ドローン写真は人々のプライバシーの点で問題だと思いますか
デュパン氏：そうかもしれません。それは従来の強力なズーム機能付きのデジタル一眼レフで撮影した写真が問題になるのと同じです。
ＣＮＮ：デュパンさんのお気に入りの写真は？
デュパン氏：ドローンスタグラムに掲載されている写真はどれも素晴らしく、その中から１枚だけ選ぶのは難しいですが、個人的には都市の景観が好きです。例えばミラノ、バルセロナ、ニューヨーク、シドニー、サンフランシスコなどの風景の写真が気に入っています。
霧に浮かぶブラジルのマリンガ大聖堂＝DRONESTAGRAM/RICARDO MATIELLO氏提供
ＣＮＮ：ドローンスタグラムのユーザーが最も多いのはどの国ですか
デュパン氏：米国が依然としてトップですが、僅差でフランスと英国が続いています。その他に上位５カ国に入っているのはブラジルとイタリアです。
ＣＮＮ：ドローン写真家たちに最も伝えたいアドバイスは何ですか
デュパン氏：ドローンは晴れた日に飛ばすこと、高性能なイメージ・スタビライザー（ハードウェアかソフトウェア）を使うこと、現地の法令に従うことです。
ＣＮＮ：今、最も見たいのはどこで撮影されたドローン写真ですか
デュパン氏：アフリカで撮影された良い写真がもっと見たい。アフリカの風景や野生生物、そして都市のドローン写真も見たいです。
ＣＮＮ：今後、ドローンはどのように使われるでしょうか
デュパン氏：人々の役に立つ使い方ができればいいと思います。例えば、世界の美しい場所を見せたり、行方不明の人を発見したり、容易に行けない場所に住む人々に物資や医薬品を届けるといった使い方です。