(CNN) 日本と韓国は、第2次世界大戦中の慰安婦問題で合意に達した。岸田文雄外相によると、日本政府は元慰安婦への支援に10億円を拠出する。
韓国の尹炳世(ユンビョンセ)外相は28日、日本が合意に従う限り、慰安婦問題は「不可逆的に解決」したものとみなすと語った。
尹外相によると、両国は国連を含む国際社会で互いへの批判、非難を控えることでも合意した。
岸田外相は、安倍晋三首相が「慰安婦としてあまたの苦痛を経験され、心身にわたりいやしがたい傷を負われた」女性たちに「心からのおわびと反省」を表明したと述べた。
これに対して韓国の市民団体「韓国挺身隊問題対策協議会」は、日本政府が強く責任を感じていると表明したことを認める一方、合意には政府と軍の組織的関与が明記されていないと批判した。
日本政府は1995年に設立された「アジア女性基金」を通して元慰安婦に支援を提供したものの、直接の補償に応じていないとして批判を浴びてきた。現在、存命の元慰安婦はわずか数十人となっている。
CNNが今年インタビューした金福童(キムボクドン)さん(89)は、14歳の時に故郷の村から連れ去られたという。縫製工場へ行くはずが旧日本軍の「慰安所」に閉じ込められ、入り口に並ぶ兵士らの相手をさせられた。
「土曜日には昼から列ができ始め、8時まで続いた」と、金さんは語った。兵士らは軍靴を脱ぎもせず、1人3分ほどで次の兵士と交代した。屈辱と苦痛に満ちた時間が延々と続き、「1日が終わった時には立ち上がることもできなかった」という。
金さんは「薬なしでは生きられない」体になり、苦痛は今でも続いていると訴えた。