米NORADのサンタ追跡、きっかけは広告の誤植

サンタの現在位置についての質問に答えるNORAD職員とボランティアの人たち=NORAD

2015.12.25 Fri posted at 17:48 JST

ニューヨーク(CNNMoney) クリスマスイブの夜、世界中を回るサンタクロースの「追跡」を行っていることで知られる北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)。NORADがこの追跡任務を始めたきっかけとなったのは、60年前の「誤植」だった。

1955年末、コロラドスプリングズにあった小売大手シアーズの支店が「サンタクロース直通電話」を開設した。ところが広告に書かれた電話番号に間違いがあった。番号がつながる先はNORADの前身機関、大陸防空司令部(CONAD)だったのだ。

クリスマスイブの日、当時同司令部に勤務していたハリー・シャウプ大佐はサンタクロースと話したいという子どもたちからの電話を何件も受けることになった。

このときシャウプ大佐は、間違い電話だとは言わず、自分はサンタクロースではないけれど、レーダーでサンタの動きを追跡できると答えた。結局大佐らは一晩中、サンタとトナカイがどこの上空を飛んでいるか答え続けた。

サンタの追跡情報を子どもたちに伝えたハリー・シャウプ大佐(当時)=NORAD

クリスマスイブのこうしたやり取りはやがて伝統行事となり、NORADに引き継がれた。NORADは専用電話を毎年開設。昨年のクリスマスには、NORAD職員やミシェル・オバマ大統領夫人ら多くのボランティアが、234カ国からの13万5000件の問い合わせに答えた。

NORADはインターネット上でもサンタクロースの位置を確認できる専用のウェブサイトを開設しているほか、ソーシャルメディアを通じても情報を届けている。

NORADによれば、追跡には米軍の軍事衛星が使われている。「(トナカイの)ルドルフの鼻が発する熱を赤外線で追跡し、正確な位置を把握している」とのことだ。

また悪天候の際には、戦闘機がサンタのそりの案内役を務めることもあるという。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。