米高校でイスラム教の文言書き取りの宿題、親から批判殺到

イスラム教の文言を書き取らせる宿題が物議に

2015.12.19 Sat posted at 12:06 JST

(CNN) 米バージニア州オーガスタ郡の高校で、教師がイスラム教に関する宿題を出したところ、抗議の電話が殺到する騒ぎが19日までにあった。当局は慎重を期して、郡内の学校をすべて休校にする措置を取った。

問題の宿題が出されたのは、同州スタントン市の高校。世界地理の授業で世界の主要宗教について扱うことになり、イスラム教に関する宿題として、宗教的な文面の書を書き写すことが課された。

宿題の文面では、「これはイスラム教の信仰告白であるシャハーダで、アラビア語で書かれています。以下にこれを手書きで写しましょう。文字を美しく書くことが複雑な芸術であることが分かるでしょう」としている。

例として出されているアラビア語のフレーズはイスラム教の基礎的な文言で、「アラーの他に神はなし。ムハンマドはアラーの使者である」というもの。地元紙によると、教師は自分で宿題を作ったわけではなく、世界の宗教に関する定番のワークブックから抜粋したという。

教師は定番のワークブックからの抜粋だったという

生徒が宿題を持って帰宅すると、抗議が続出。親からは、自分たちの子どもをイスラム教に改宗させる試みだとする声などが上がった。電話やメールが学校に殺到し、中には宿題を出した教師の解雇を求めるものもあった。

騒ぎを受け、郡の教育当局は、世界宗教の学習内容からシャハーダを除去。だが17日には、これでも収まらない母親や住民が集まり、教師らへの不満を訴える事態に発展した。

一方、学校側は、抗議の電話やメールの量が膨れあがり、「トーンと内容」が悪質なものになっている現状を懸念。保安官による警備が強化されたほか、通信の監視も始められたうえ、18日には同郡の学校を全校休校になった。

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