米FRB、利上げを発表 景気回復受け判断

FRBのイエレン議長。米景気の好調ぶりに「確信が持てる」とし、利上げに踏み切った

2015.12.17 Thu posted at 11:35 JST

ニューヨーク(CNNMoney) 米連邦準備制度理事会(FRB)は16日、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0~0.25%から0.25~0.5%へと引き上げた。

利上げによって、いずれ銀行預金の金利もわずかに上がる見通しだが、16日の時点で米大手銀行は金利の引き上げを発表していない。住宅ローンの金利も徐々に引き上げられる見通し。

利上げはリーマンショック以降大きく落ち込んだ米景気の回復ぶりを物語る。FRBは、米国経済を下支えする必要はなくなったと判断、景気回復を促すための低金利政策という「特別期間を終わらせる」行動に踏み切った。

ジャネット・イエレンFRB議長は記者会見で、「米景気を牽引(けんいん)するファンダメンタルズや、家計の健全性、国内消費には確信が持てる」と指摘。「製造業やエネルギー分野など一部の業種にはプレッシャーもあるものの、根底にある米国経済は安定している」とした。

FRBは今後の利上げについては慎重な姿勢を示し、金利は「徐々に引き上げた」場合にのみメリットがあると強調。当面の間は低金利のまま据え置く方針を示した。イエレン議長の記者会見でも利上げは「徐々に」行うと繰り返した。

FRBの発表とイエレン議長の記者会見を受け、米株式市場でダウ工業株30種平均は224ポイント上昇した。

FRBは2008年12月以来、金利をほぼゼロに据え置いてきた。景気の刺激と、バブル崩壊に見舞われた住宅市場を立て直すための措置だった。

しかし既に危機的な状況を脱し、2009年に最悪の10%となった失業率は5%にまで改善した。賃金も最近になって上昇し始めている。

FRBの委員会は16日、9月の時点で2.3%としていた来年の成長見通しも2.4%へと引き上げた。来年の失業率は、4.8%としていた予想を4.7%に下方修正した。

インフレは2%を目標としているが、現時点ではゼロに近く、2%の目標に届くのは2018年と予想している。

今回の利上げは2006年以来。2016年以降はさらなる利上げが予想される。

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