(CNN) カザフスタンの厳しい冬も、自宅でスキーができれば楽しく過ごせる――。同国の首都アスタナに「スキー場付きマンション」の構想が持ち上がっている。
「スラローム・ハウス」と呼ばれるこのプロジェクトは、カザフスタン建築家協会のメンバーでスキー愛好家のショハン・マタイベコフ氏が提案している。
建築許可が得られれば、21階建てマンションの屋上から出発する全長326メートルの斜面でスキーが楽しめるようになる。
同氏がCNNへのメールで明かしたところによると、総工費は7000万ドル(約84億円)前後。実現に向けて、一部の業者などがすでに関心を示しているという。
アスタナは零下15℃にもなる厳しい寒さにもかかわらず、スキーやスノーボードを楽しめる場所がほとんどなく、最も近いスキー場まで車で4時間もかかる。マタイベコフ氏はもっと気軽にスキーがしたいという思いから、このプロジェクトを思い立ったという。
スラローム・ハウスのデザインは先月、シンガポールで開催された世界建築フェスティバル(WAF)の将来プロジェクト・住宅部門にノミネートされた。応募書類によると、低層階部分には小売店や飲食店のスペースが入り、その上に2寝室の住居421戸を設ける。スキー専用の入り口からは眺望の良い「パノラマ・エレベーター」で屋上まで上ることができる。
アスタナには美術館や商業施設、政府機関など、近未来的なビルが立ち並んでいる。2004年には長期政権を維持するナザルバエフ大統領が職務を行う大統領宮殿も建築された。新たなプロジェクトが実現すれば、またひとつユニークな建物が加わることになる。