ニューヨーク(CNNMoney) 米化学大手のダウ・ケミカルと同業大手デュポンが12日までに、合併することで合意した。合併後の「ダウ・デュポン」は時価総額1300億ドル(約15兆7000億円)と、世界最大の化学企業になる。
同社は合併後すぐに、上場企業3社に分割する計画で、農業、素材科学、特殊製品の3社に切り離される。
農業関連では、両社とも種子や作物保護のビジネスに強く、この分野で市場をリードする最大手の米モンサントに匹敵。両社の農業ビジネスの昨年の売り上げは合計で約190億ドルで、モンサントの同時期の売り上げ150億ドルを上回る。
素材科学を扱う企業は、分割される3社のうち最大となり、プラスチックや化学製品などを製造する。ダウは大きな消費者向けブランドを持っており、シャンプーや靴底に使われる化学製品を製造。一方、デュポンは防弾チョッキなどに用いられる繊維を作る。これらすべてのビジネスを合計した場合の昨年の売り上げは、510億ドルに及ぶ。
他のカテゴリーに分類される製品はすべて、特殊製品の企業で扱う見通し。デュポンはグアーガムなどの食品素材を専門とする一方、ダウでは回路基板などの電子材料を中心に扱っており、昨年の売り上げを合わせると130億ドルに上る。
両社の合併は長年、取り沙汰されてきた。合併により30億ドルのコスト節減が見込めるとしている。
デュポンのエドワード・ブリーン最高経営責任者(CEO)がダウ・デュポンのCEOに、ダウのアンドリュー・リバリスCEOは新会社の会長に就任する。
声明によれば、顧客のニーズが変化するなか両社とも「地殻変動」に直面しており、変革を迫られていた。