人混みを避けてゆったりと プライベートツアーが満喫できる世界の名所

ストーンヘンジ

2016.01.01 Fri posted at 20:27 JST

(CNN) ルーブル美術館で「モナリザ」と2人きりで会う。あるいは、観光客のいなくなったシスティーナ礼拝堂で夜の散歩を楽しむ――。そんな場面を思い浮かべてほしい。旅行会社「トリュフピッグ」の共同創業者であるグレッグ・サックス氏は顧客のために、こうした世界有数の観光スポットを他人に邪魔されずに訪れる機会を提供している。

サックス氏は、バルセロナの「サクラダファミリア」や、フィレンツエやパリの美術館などを私的に訪問できるようにした。実現には大人数のグループを募るか、十分な予算を用意することが必要になるという。費用は9000~4万ドル(約110万~490万円)。観光業者に公式に提示されずに内々に開催されるため、ネット上で情報を見つけるのは困難だ。

もっとも、高額な費用や非公式の手配がなくても「VIP扱い」での訪問は可能だ。富裕層相手の旅行会社ではたいてい、私的なツアーを組み込んでいる。また、高級ホテルブランドの「セントレジス」では、有名な観光地や美術館を私的に巡るプログラムを提供している。

人混みのないところで観光したい人に向け、プライベートツアーを実現できる場所を紹介する。

ストーンヘンジ(英)

「ストーンヘンジ・ツアーズ」は英国の文化財保護機関「イングリッシュ・ヘリテージ」と手を組み、夜明けと夕暮れ時、一般の観光客には閉じられている時間帯にストーンサークル一帯を特別に訪れることができる機会を提供している。

紫禁城

ただ、VIP訪問はまれにしか開催されない上に申し込みが殺到しており、数カ月前から売り切れになってしまうため注意が必要。費用は97ユーロ(約1万3000円)。

ニューヨーク近代美術館(米ニューヨーク)

ニューヨーク近代美術館(MoMA)は6フロア構成で、現代絵画をあしらった展示からパフォーマンスアートや映画、写真に至るまで、あらゆる分野を網羅している。

ただ、観客の波をかき分けてお気に入りのアーティストの作品までたどり着くのは大変だ。MoMAは世界で最も来場者数の多い美術館の一つで、年間300万人以上が訪れる。それだけに開館前と閉館後、一般の観光客がいない時間帯に行われるプライベートツアーは魅力的だ。

MoMAでは少数の参加者を募り、講師の先導により1時間で私的に館内を巡るツアーを運営。金額は1人63ドル(約7700円)から。最低10人が参加する必要がある。

重華宮(北京)

紫禁城は100年前に比べれば立ち入りやすくなったとはいえ、重華宮のようにまだ一般公開はされていない場所もある。

システィーナ礼拝堂

ただ、30分でも中を見学したいという人は、ナショナルジオグラフィック旅行の中国ツアーなどで予約することにより、重華宮を私的に訪れることができる。黄金の床を保護するため晴れの日のみの開催。北京から上海を巡る13日間の旅は、料金が6995ドル(約85万円)だ。

造ったのは清朝の第5代皇帝、雍正帝で、1727年、喫茶を愛する後継ぎの乾隆帝が旧正月に豪華な宴会を開けるようにと建てられた。入念に保存された調度品から、今では忘れられた乾隆帝の時代の生活をうかがい知ることができる。

マルタのパラッツォ

マルタ島の華麗な邸宅やパラッツォは従来、普通の観光客が立ち入ることはできなかった。だが、旅行会社「ビヨンド・スリー・シックスティー」は5つ星ホテルのコリンシアパレスホテルと共同で、こうした邸宅を見学するツアーを組んでいる。

「プライベートマルタ」として知られるこのプログラムは2015年に始動。建物の内部まで特別に訪問できる機会を提供している。美しい建物を眺めるだけではなく、建物の所有者から話を聞いたり、一緒に食事を取ったり、私的なコンサートに参加するのが狙いだ。

4日間の旅の費用は1人あたり2290ユーロ(約30万円)からで、18年まで隔月で開催される。

システィーナ礼拝堂(バチカン)

システィーナ礼拝堂は世界で最も静かな場所の一つなのだろうが、大勢の学校児童が跳びはねたり、警備員が「写真禁止」のマントラを唱え続けるなかでは、魅力も減少してしまう。

プライベートツアーでは他人に邪魔されずに観光名所を楽しめる

ミケランジェロの描いた天井画を少人数で落ち着いて見たい人は、「イタリー・ウィズ・アス」社の手配により、閉館後にVIP待遇で訪問することができる。値段は350ユーロ(約4万6000円)。

ツアーはバチカンの警備員が礼拝堂のドアを開けるところから始まり、最後には「ラファエロの間」やバチカン美術館を特別に観覧できる。この間、ゆっくりと礼拝堂を眺めることができるが、人気のため数カ月前から予約が埋まっている。

ファラウェイ・ベイ(豪州)

豪州西部のキンバリー地域にあるファラウェイ・ベイは、同国で最も網羅的なアボリジニの岩壁画コレクションがある場所の一つ。

一般観光客がこうした岩壁画を訪れることができる数少ない方法として、アボリジニの長老ジュジュ・ウィルソン氏がガイドを務める「岩壁画隠れ旅」に参加する手がある。

ウィルソン氏は考古学者のリー・スコットバーチュー氏と共に1998年から、ファラウェイ・ベイの岩壁画を記録し、カタログ化してきた。

ウィルソン氏と旅に出る機会は年に一度きり。次回は2016年5月23~27日に行われ、費用は1人あたり6880豪州ドル(約60万円)。

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