ホワイトハウス報道官、「トランプ氏は大統領に不適格」と批判

トランプ氏の発言をホワイトハウス報道官が批判

2015.12.09 Wed posted at 09:58 JST

ワシントン(CNN) 米大統領選の共和党候補者指名争いで首位に立つ実業家ドナルド・トランプ氏がイスラム教徒の米国への入国を禁止するべきだと述べたことに対し、ホワイトハウスのアーネスト報道官は8日、このような発言をする同氏に「大統領になる資格はない」と厳しく批判した。

ホワイトハウス当局者が野党の指名レースでこれほど踏み込んだ発言をするのは、極めて異例のことだ。

アーネスト氏は同日の記者会見で、大統領は就任宣誓で「合衆国憲法の維持、保護、擁護」を誓うことなっていると指摘。憲法に反した主張を行うトランプ氏には、大統領就任の資格がないとの見方を示した。

アーネスト氏はまた、共和党の指名を争う候補らは全員、最終的に指名を獲得した候補者を支持するとの宣誓に署名しているとも指摘し、「かれらがトランプ氏を支持するとの誓いを守るなら、それ自体も不適格の要件になる」と語った。

そのうえで、共和党全体がトランプ氏の道連れになり、「歴史のちりと消える」可能性が高まっていると言及。トランプ氏を「祭りの客引き」と呼んで批判した。

共和党内からも批判の声が上がっている

トランプ氏の発言には、ケリー国務長官も訪問先パリでの記者会見で言及。「非差別と平等は米国の価値観だけでなく、我々の移民、入国管理政策の柱でもある。国務省は全ての宗教について、差別することなく尊重するという方針を徹底して貫き続ける」と表明した。

ケリー氏はさらに「世界各地を訪問すると、我々の友好国や敵対国が米国内の議論に注意深く耳を傾けていることがはっきり分かる。トランプ氏のような発言は建設的ではない」と述べた。

国防総省のクック報道官はトランプ氏を名指しこそしなかったものの、「ISISの筋書き通りに米国をイスラム教と敵対させることは、我が国の理念に反するばかりでなく、安全保障にも反する」と批判し、米軍では現在イスラム教徒も多数兵役に就いていると強調した。

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