米銃乱射容疑者、事件前に射撃練習 過激化は2年以上前か

2014年に空港内で撮影された両容疑者の写真=Chicago O'Hare Airport提供

2015.12.08 Tue posted at 18:09 JST

(CNN) 米カリフォルニア州サンバーナディノで起きた銃乱射事件を調べている米連邦捜査局(FBI)は7日、実行犯2人が事件前から射撃を練習するなど、計画的に犯行準備を進めていたとの見方を示した。当局者らは、2人が過激化した時期や経緯を捜査している。

FBIロサンゼルス支局の幹部が報道陣に語ったところによると、実行犯のサイード・ファルーク容疑者と妻のタシュフィーン・マリク容疑者は同市周辺の射撃場に何度か通っていた。このうち少なくとも一度は、事件の数日前だったという。

同幹部は、両容疑者が過激思想に感化されてからすでにかなり時間がたっていたとの見方を示し、「問題はだれの力によって、どこで、どのように過激化したのかという点だ」と指摘した。

これまでの調べで2人が過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」を支持していたことは分かったが、ISISの指導者らと実際に会ったり、指示を受けたりしていたかどうかは不明のまま。自力のみで過激思想の知識を得て、犯行を計画、実行した可能性もあるという。今のところ、米本土以外への攻撃が計画されていた形跡は報告されていない。

また情報筋がCNNに語ったところによると、マリク容疑者は出身国パキスタンにいた2年以上前から過激思想に感化されていたとみられる。同容疑者はその後、ファルーク容疑者の婚約者としてビザを取得、渡米した。当局者らは、マリク容疑者がこの後、ファルーク容疑者にも過激思想を勧めた可能性があるとみて捜査している。

両容疑者が所持していた銃器類=San Bernardino County Sheriff

一方パキスタン中部ムルタンでは、マリク容疑者の父親が所有する家屋の捜索が行われた。情報筋が7日、CNNに語ったところによると、家屋は留守だったが捜索チームが錠を壊して中へ入り、証拠物件などを押収した。

ファルーク容疑者の家族らは事件前、だれも異変に気付かなかったと話している。両容疑者やその子ども(生後6カ月)の家にファルーク容疑者の母も同居していたが、部屋は離れていたという。

同容疑者の父親は先週イタリア紙とのインタビューで、息子がISISの思想に賛同していたなどと話した。しかし一家の弁護士によると、父親は病気のため服薬中で、記者にそのような話をした記憶がないと主張している。

ファルーク容疑者が国際テロ組織アルカイダ系のヌスラ戦線、シャバブなどと接触を試みていたとの情報もあるが、具体的な時期や手段は明らかでない。

両容疑者は電子メディア上の履歴を隠そうと関連機器を破壊した。このことが、捜査が難航する一因となっている。

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