(CNN) 英国防省の報道官は3日未明、同国空軍のトーネード戦闘機がシリアで初の空爆任務を終了し、無事に帰還したと発表した。
英国下院が2日、過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」の拠点への空爆をシリア領内にも拡大する政府提出の動議を賛成多数で可決してから数時間後の任務遂行となっている。
英国防省はCNNに対し、トーネード戦闘機4機がキプロス共和国にある英空軍基地から出撃し、シリア東部の油田を標的にしたと明らかにした。
今回の動議に関する討論は約10時間続き、賛成397、反対223の賛成多数で可決していた。
英国はこれまで米国主導の有志連合の一員としてISIS拠点への空爆を続けてきたが、標的はイラク領内に限定してきた。しかし、パリで先月13日に発生した同時多発テロを受け、フランス政府は有志連合に対しISIS掃討作戦の強化や拡大を要請。英国によるシリア空爆の開始はこれを受けたものとなっている。
英国のキャメロン首相は2日の討論開始前に演説し、英国は安全保障に対する根源的な脅威に直面していると強調。その上で「同盟国と共にこの脅威を破壊するのか、それとも座視して攻撃されるのを待つのかの二者択一だ」と問い掛けた。
同首相は2013年、シリア政府が内戦で化学兵器使用の疑惑に襲われた際、英国の軍事介入の承認を議会下院に求めたが拒否されていた。